中原淳 (国土交通官僚)

中原 淳（なかはら じゅん）氏は、1962年8月30日生まれの日本の外交官であり、建設・国土交通官僚としての豊富な経験を持ちます。

熊本県に生まれた中原氏は、灘高等学校を卒業後、東京大学法学部私法学科にて学び、1987年3月に卒業しました。同年4月には、国家公務員採用Ⅰ種試験（法律）に合格し、当時の建設省へ入省。建設経済局宅地開発課にてキャリアをスタートさせました。

建設省及びその後の国土交通省では、多岐にわたる部署で要職を経験。建設経済局建設業課、道路局路政課、道路局総務課、住宅局総務課といった部局で政策企画や実務に携わりました。特に道路行政においては重要な役割を果たしています。また、大臣官房においては、人事課企画官や国際建設市場を担当する参事官、さらには国土交通大臣秘書官を務めるなど、組織の中枢にも深く関わりました。

キャリアの中では、霞が関の省庁だけでなく、地方自治体や海外での経験も積んでいます。1994年には外務省に出向し、在ニューヨーク日本国総領事館にて副領事、その後領事として国際的な業務に携わりました。また、2000年からは静岡県に出向し、都市住宅部都市整備総室都市整備統括監、後に都市住宅部参事兼都市整備総室長として、地方における都市整備や住宅政策に貢献しています。さらに、2016年には首都高速道路株式会社の取締役も務め、インフラ事業運営の実務に携わりました。

2018年以降は、内閣官房及び内閣府においても重要な役割を担いました。内閣官房内閣審議官として内閣官房副長官補付に所属し、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長や、内閣府地方創生推進事務局審議官、同本府地方創生室次長を兼任。地方創生や地域活性化に向けた政策立案・推進に深く関与しました。また、歴史的資源を活用した観光まちづくりや、観光戦略実行推進室の審議官も務め、観光振興の分野にも貢献しています。

2020年1月には国土交通省大臣官房建設流通政策審議官に就任。そして同年7月21日には、国土交通省国土政策局長に昇任しました。国土政策局長としては、国土強靱化を最重要課題として位置づけ、「防災・減災、国土強靱化のための３か年緊急対策」（2018～20年度）終了後も、その取り組みを一層強力に推進する方針を打ち出しました。自然災害が頻発する日本において、安全・安心な国土づくりに向けた強いリーダーシップを発揮しました。

官僚としてのキャリアを積んだ後、2021年9月には外交官に転じ、駐ホンジュラス特命全権大使として着任しました。中央アメリカに位置するホンジュラスは、度重なるハリケーンの被害に見舞われるほか、依然として新型コロナウイルス対策が重要な課題となっています。中原氏は、大使就任にあたり、国土交通省でのインフラ整備、防災減災、国土強靭化、そしてコロナ対応といった、これまでの自身の経験を活かして、日本とホンジュラス両国の関係を深化させ、両国の発展に貢献したいとの抱負を表明しました。

建設・国土交通分野での幅広い専門知識と経験に加え、地方創生や観光戦略、そして国際的な業務にも携わった中原氏の多角的なキャリアは、外交の舞台においても大いに活かされており、二国間関係の構築や課題解決に向けた貢献が期待されています。国内外の要職を歴任し、政策遂行と国際協力の両面で重要な役割を担っています。

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