中原美紗緒

中原美紗緒（なかはら みさお）は、1931年7月18日に生まれ、1997年7月8日に亡くなった昭和期のシャンソン歌手、女優です。本名は室美紗緒で、旧姓は中原です。彼女の親族には、画家の中原淳一がおじ、女優の葦原邦子が義理の叔母にいます。また、長男は映画監督・映像プロデューサーの室希太郎、妹の夫はミステリ作家の渡辺剣次と、芸術一家の中で育ちました。

東京都出身の中原美紗緒は、東京芸術大学声楽科を卒業後、1955年5月にキングレコードから「パリのお嬢さん」で歌手デビューを果たしました。その歌声は多くの人々を魅了し、1956年から7年連続でNHK紅白歌合戦に出場するという輝かしい記録を打ち立てました。彼女の才能は音楽界にとどまらず、女優としても活躍しました。1958年12月から1960年10月にかけて、KRT（現TBS）で放送された連続ドラマ「あんみつ姫」では、ヒロインのあんみつ姫役を演じ、お茶の間の人気を博しました。

1963年に結婚した中原美紗緒は、1966年に育児に専念するため芸能界を一時引退しますが、12年のブランクを経て1978年に芸能界に復帰しました。1979年10月から1980年9月にかけて、日本テレビの子供向け番組「なんじゃ・もんじゃ・ドン!」では、「みーおばちゃん」の愛称で親しまれ、司会兼歌のおねえさんとして活躍しました。

1991年には、歌手生活30周年を記念したコンサートを開催し、自叙伝「唄（シャンソン）に恋して」を出版しました。しかし、1993年に食道癌が発見され、治療を続けながらもステージに立ち続けました。1994年には食道癌の切開手術を受け、一旦は回復したものの、1996年にリンパ腺癌が発覚し、再び手術を受けることになりました。それでも彼女は、歌手生活40周年記念コンサートを開催するなど、精力的に活動を続けました。1997年春まで闘病生活を送りながらも舞台に立ち続け、同年7月8日、65歳でその生涯を閉じました。

中原美紗緒の代表曲には、「パリのお嬢さん」の他、「フルフル」、「私の心はバイオリン」、「河は呼んでいる」、「バス通り裏」、「夜は恋人」などがあります。彼女の歌声は、多くの人々の心に深く刻まれています。

NHK紅白歌合戦出場歴
第7回（1956年）
第8回（1957年）
第9回（1958年）
第10回（1959年）
第11回（1960年）
第12回（1961年）
第13回（1962年）

出演映画
大映「忘れじの午後8時13分」（1957年）
富士映画「妖蛇荘の魔王」（1957年） - 月田京子役
大映「お嬢さん」（1961年） - シャンソン歌手役

出演テレビ番組
あんみつ姫（TBS）
なんじゃ・もんじゃ・ドン!（日本テレビ）
廃虚の唇（NET） - 神塚役
孤独の賭け（NET） - クラブの歌手役
* 陽気な夫婦 (NHK総合) - 吹き替え: グラディス・ポーター(カーラ・ウィリアムズ)

中原美紗緒は、その歌声と演技で多くの人々に感動を与え、昭和の芸能史にその名を刻みました。彼女の生涯は、まさに歌と演技に捧げられたものであり、その情熱は多くの人々を魅了し続けました。

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