中国とエルサルバドルの関係

中国とエルサルバドルの関係

中国とエルサルバドルの関係は、中国大陸に存在する政権（中華民国と中華人民共和国）とエルサルバドルとの間の外交関係を指します。エルサルバドルは長らく中華民国と国交を結んでいましたが、2018年に中華人民共和国と国交を樹立し、中華民国との関係を断絶しました。

歴史

第二次世界大戦以前

1933年6月15日、中華民国はグアテマラに大使館を設立し、駐グアテマラ大使がエルサルバドル大使を兼任するようになりました。同年10月7日に大使館が正式に開館しました。

1934年にエルサルバドルが満洲国を承認したことを受け、中華民国外務省は国際連盟にエルサルバドルを制裁するよう求めました。1941年には、公使レベルでの交流関係となり、パナマ大使との兼任に変更されました。

満洲国との関係

エルサルバドルは、日本に次いで2番目に満洲国を承認した国です。1935年にエルサルバドルで災害が発生した際、満洲国皇帝であった溥儀は「内帑金」の名目で1万元を援助しました。当時、満洲国は諸外国に領事を派遣していなかったため、エルサルバドルが満洲国に代わって領事を募集することになりました。1940年には、王荊山が満洲国のエルサルバドル名誉領事に任命されました。エルサルバドルは1941年12月の真珠湾攻撃を経て日本に宣戦布告しましたが、1943年まで満洲国の承認を取り消しませんでした。

第二次世界大戦・国共内戦後

1949年に中華人民共和国が成立し、1950年にチャムドの戦いでチベットを併合すると、エルサルバドルは国際連合にこの問題を議題として取り上げるよう提案しました。1961年6月1日には、両国間の関係は大使関係に昇格しました。しかし、1971年のアルバニア決議では、エルサルバドルは反対票を投じました。

1986年10月のエルサルバドル地震では、中国紅十字会が300万アメリカドルの支援を行いました。

中華人民共和国との国交樹立

2018年8月21日、エルサルバドルは中華人民共和国と国交を樹立し、中華民国との国交を断絶しました。この決定に対し、中華民国外交部長の呉釗燮は「卑鄙悪劣・完全錯誤」と非難しました。

まとめ

エルサルバドルと中国の関係は、歴史的に複雑な変遷を辿ってきました。中華民国との長年の関係から、中華人民共和国との新たな関係へと移行する過程は、国際政治における力関係の変化を反映していると言えるでしょう。エルサルバドルの外交政策は、今後も国際情勢に大きな影響を与えると考えられます。

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