中国紅十字会

中国紅十字会

中国紅十字会（Red Cross Society of China）は、中華人民共和国における赤十字組織です。中国本土の他、香港、マカオにも支部を持ち、広範な活動を展開しています。会員数は約2000万人に達し、中国国内における重要な人道支援組織としての役割を担っています。

歴史

中国における赤十字運動の始まりは、1904年に上海租界で設立された「万国紅十字上海支会」に遡ります。日露戦争の際、満州に救護班を派遣したことが、その活動の先駆けとなりました。1906年には清朝政府がジュネーヴ条約に調印、翌年には「大清紅十字会」と改称しました。辛亥革命後、1912年には「中国紅十字会」と改称、国際赤十字に正式加盟しました。その後、1933年には蔣介石政権下で「中華民国紅十字会」と改称しましたが、中国国内の戦乱や災害が絶えなかったため、救護活動や被災者支援に尽力しました。

中華人民共和国成立後、中国の赤十字運動は、中国紅十字会と台湾の中華民国紅十字会に分裂しました。1952年の赤十字国際会議では、中国紅十字会が唯一合法の組織として認定され、中華民国紅十字会は排除されました。しかし、中華民国紅十字会も台湾で活動を継続し、人道的見地から国際的な交流を続けています。

文化大革命期には、中国紅十字会は批判の対象となり、一時的に活動が停滞しましたが、1978年以降に正常化が進められました。1993年には「中華人民共和国紅十字会法」が制定され、法的基盤が整備されました。1997年には香港、1999年にはマカオの赤十字が中国紅十字会に加盟しました。現在では、中国と台湾の赤十字組織は、両岸交流の重要な窓口として、協力関係を築いています。

日本との関係

中国紅十字会は、日中戦争後、中国に取り残された日本人の帰国を支援しました。また、旧満州地域を中心とした分会が、日本人孤児の捜索に長年尽力しました。1954年には、李徳全会長が率いる代表団が訪日し、抑留されていたBC級戦犯の帰国や、日中国交正常化に向けた民間交流の再開に貢献しました。

組織

中国紅十字会は、総会（本部）を北京に置き、各省、自治区、直轄市、特別行政区に分会を設置しています。下級行政単位にも支部が設置され、全国で約7万の基層組織が活動しています。名誉会長には国家副主席が就任し、会長には各界の著名人が任命されることが一般的です。

活動内容

中国紅十字会は、災害救助、医療支援、献血推進、国際協力など、幅広い分野で活動しています。近年では、エイズ対策や難病患者への支援にも力を入れています。また、国際的な赤十字運動の一員として、世界各地で発生する紛争や災害の被災者支援にも積極的に関わっています。

脚注

中国紅十字会は、国際赤十字赤新月社連盟と赤十字国際委員会と連携しています。
中国紅十字会は、中華民国紅十字会とは異なる組織です。
中国紅十字会は、日本赤十字社とも協力関係を築いています。

関連項目

赤十字社
国際赤十字赤新月社連盟
赤十字国際委員会
中華民国紅十字会
日本赤十字社
朝鮮赤十字会
大韓赤十字社
沖縄赤十字社
モンゴル赤十字社
ロシア赤十字社
ベトナム赤十字会
郭美美事件
世界紅卍字会

外部リンク

* 中国紅十字会総会（中国語）

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