中国オリンピック委員会

中国オリンピック委員会

中国オリンピック委員会（略称：中国奥委会）は、中華人民共和国における国内オリンピック委員会（NOC）であり、中国大陸（台湾、香港、マカオを除く地域）のオリンピックムーブメントを促進する組織です。原則として、国家体育総局長が主席を兼任します。

歴史

中国のオリンピック委員会の歴史は、1922年に上海で設立された「中華業餘運動聯合會」が始まりです。同年に国際オリンピック委員会（IOC）にNOCとして承認されました。しかし、1949年に中華人民共和国が成立し、中華民国政府が台湾に移動すると、1951年に「中国オリンピック委員会」も台湾に移転したとIOCに通知され、承認されました。

一方、大陸では1949年に中華全国体育総会準備委員会が設立され、1952年に正式発足しました。これにより、大陸側もNOC「中国オリンピック委員会」としての活動を開始しました。1954年のIOC総会では、台湾と大陸双方の「中国オリンピック委員会」が承認されましたが、1958年に大陸側は「二つの中国」に反対しIOCを脱退しました。その後、中国は1979年にIOCに復帰しました。

台湾との関係

1979年、IOC理事会で大陸側NOCの復帰が提案され、「名古屋決議」が採択されました。これにより、以下のように決定しました。

大陸側：国旗は五星紅旗、国歌は「義勇軍進行曲」を使用し、名称は中国オリンピック委員会とする。
台湾側：名称をチャイニーズタイペイオリンピック委員会に変更。旗と歌はIOCが認めたもの（チャイニーズタイペイオリンピック委員会旗と「チャイニーズタイペイ・オリンピック委員会歌」）を使用する。

香港との関係

香港には、イギリス統治下の1951年から中国オリンピック委員会とは別のNOC（現在の中国香港体育協会及びオリンピック委員会）が存在します。香港のスポーツは1997年の香港返還後も中華人民共和国から独立しており、独自の代表チームをオリンピックに派遣しています。

マカオとの関係

マカオにも、中国オリンピック委員会とは別のNOCである中国マカオ体育及びオリンピック委員会が存在します。マカオのスポーツも香港と同様に大陸のスポーツから独立していますが、マカオ委員会はアジアオリンピック評議会からは承認を受けているものの、IOCからの承認は受けていません。そのため、マカオはアジア競技大会には選手を派遣できますが、オリンピックには参加できません。

まとめ

中国オリンピック委員会は、複雑な歴史的背景を持つ組織であり、台湾、香港、マカオとの関係はそれぞれ異なります。特に台湾との関係は「名古屋決議」によって解決しましたが、香港とマカオは独自のNOCを持ち、独自のスポーツ活動を展開しています。これらの地域におけるスポーツの独立性は、国際的なスポーツイベントにおける複雑な政治的背景を示しています。

参考資料

* 中国オリンピック委員会公式サイト

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