中華全国体育総会

中華全国体育総会（ACSF）は、中華人民共和国のスポーツを統括する重要な組織です。国家体育総局に所属する各スポーツ団体によって構成される民間社会団体として位置づけられています。しかしながら、その実態は、欧州のスポーツ競技会に近い半官半民の組織、または国家体育総局の一部機構として機能しているとの見方もあります。設立は1952年6月、全国体育会議の決定に基づいて行われました。

2011年の時点では、オリンピック競技種目である31の競技団体と、非オリンピック競技種目である35の競技団体が加盟しています。各地方にも体育総会が設置されており、スポーツ団体全体を主導し、スポーツに関する事業の発展と推進を目的とした活動を展開しています。この組織は、旧ソビエト連邦のスポーツ組織の構造をモデルに設計されたとされています。

1952年11月には、中華全国体育総会をモデルケースとして、中央体育運動委員会（後の国家体育総局）が発足しました。1949年9月に公布された「共同綱領」第48条（国家は国民体育を提唱する）に基づき、国民体育運動の基本方針が打ち出されました。国民に対するスポーツ・運動の普及を目的とした「共同通知」が全国に発表され、労働制（後の国家体育鍛錬標準）の導入、ラジオ体操の奨励、工間操・課間操（仕事や授業の合間に行う体操）の推進などが国家体育総局とともに進められました。また、全国運動会やスポーツ競技大会の主催も行っています。

国家体育総局が競技スポーツの強化に重点を置いていた時期には、中華全国体育総会は大衆スポーツの普及に力を入れていました。しかし、文化大革命後は、体育強国を作るという国家の方針の下、競技スポーツの振興にも注力するようになりました。近年では、ボードゲーム（マインドスポーツ）の団体である中国棋院も加盟しており、多様なスポーツ分野をカバーする組織となっています。

参考文献としては、文部科学省が2011年に発表した「諸外国（12ヵ国）のスポーツ振興施策の状況　中国」や、王偉氏による奈良教育大学修士学位論文「中国におけるスポーツ政策変遷の検討」などが挙げられます。これらの資料は、中華全国体育総会の歴史、組織構造、活動内容を理解する上で有益です。関連する項目としては、中華人民共和国のスポーツ、中国オリンピック委員会、中国障害者連合会などがあります。さらに詳しい情報については、中華全国体育総会の公式サイトも参照できます。

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