中国人民解放軍国防大学

中国人民解放軍国防大学

中国人民解放軍国防大学（ちゅうごくじんみんかいほうぐんこくぼうだいがく）は、中華人民共和国北京市に所在する、中国人民解放軍の最高位の軍事教育機関です。主に中高級指揮官の育成を目的としており、一般の大学とは異なり学部生の受け入れは行っていません。1985年12月に創設されました。

沿革

国防大学の歴史は、中華人民共和国建国間もない1950年まで遡ります。同年10月、当時の指導者である毛沢東は、劉伯承に対し陸軍大学の設立を指示しました。これを受けて、11月には「軍事学院の創設に関する意見書」が承認され、中国人民解放軍軍事学院の正式名称と教育方針が定められます。そして1951年1月15日、華東軍区および華北軍区の軍政大学の一部を基盤として、中国共産党中央軍事委員会の指導の下、南京に中国人民解放軍軍事学院が設立されました。創設当初は、高級速成系、基本系など4つの系統と15の教授会（後に教研室に改称）が置かれていました。

設立後、軍事学院は組織を拡大し、1956年頃には戦役、戦史、高級速成、基本、情報、海軍、空軍、砲兵、装甲兵、化学兵など12の系統と50の教研室を有するに至ります。

1957年から1959年にかけて、軍の組織再編に伴い、戦役系や一部の軍兵種系が分離され、高等軍事学院や各軍兵種学院が新たに創設されました。これに伴い、基本系、情報系、防化学系などを中心とした組織は、引き続き南京軍事学院として存続しました。

しかし、文化大革命期の混乱の中で、軍事学院も大きな影響を受けます。1968年9月には軍事管制下に置かれ、同年12月には中央軍事委員会の承認を経て、学院内に革命委員会が設置されました。そして1969年には軍事学院は廃止され、代わりに軍政大学が創設されることとなります。

文化大革命終結後の1978年1月、軍政大学の軍事系を母体として、中国人民解放軍軍事学院が北京で復活しました。この北京軍事学院が、現在の国防大学の直接的な前身の一つとなります。

最終的に、1985年12月、従来の軍事学院、政治学院、後勤学院が統合・再編され、現在の中国人民解放軍国防大学が正式に発足しました。

組織

国防大学は、校長を筆頭に、政治委員、複数名の副校長（通常3名）、および副政治委員といった主要な指導体制が敷かれています。内部には、教育訓練を担当する訓練部、政治工作を担う政治部、学校運営を司る校務部、研究開発部門である科研部、そして大学院課程を担当する研究生部など、多岐にわたる部局や組織が設置されています。さらに、教育・研究を行う主要な組織として、基本系、進修系、防務学院、戦略研究系、軍事文化学院などがあります。

歴代主要幹部

国防大学設立以降、多くの要職者がその指揮を執ってきました。

歴代校長には、張震、朱敦法、邢世忠、裴懐亮、馬曉天、王喜斌、宋普選といった人物が名を連ね、2014年12月からは張仕波が校長を務めています。

また、歴代政治委員としては、李徳生、張震、李文卿、王茂潤、趙可銘、童世平といった人物が就任し、2009年12月からは劉亜洲が政治委員を務めています。

所在地・施設

国防大学の主たる所在地は、北京市海淀区紅山口甲3号です。広大な敷地を有しており、総面積は約165.5（単位不明、一般的にヘクタールと考えられます）に及びます。学内の図書館は充実しており、蔵書数は130万冊を超えています。

関連事項

中国人民解放軍軍事科学院
中国人民解放軍国防科学技術大学
朱成虎
ジョゼフ・カビラ
* イサイアス・アフェウェルキ

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