劉伯承

劉伯承（りゅう はくしょう）は、1892年12月4日に生まれ、1986年10月7日に93歳で没した、中華人民共和国の軍人であり政治家です。彼は中華人民共和国の元帥の称号を持ち、その軍事的な才能と指導力で知られています。

生い立ちと革命への参加

劉伯承は、四川省（現在の重慶市）開県で、旅回りの楽士の息子として生まれました。1911年の辛亥革命では、重慶軍政府に参加し、革命運動に身を投じました。1912年には重慶軍政府将校学堂に入学し、軍人としての基礎を築きました。1914年には、孫文が指導する中華革命党に入党し、革命家としての道を歩み始めました。

軍人としての台頭

劉伯承は、朱徳らとともに北伐に参加し、軍事的な経験を積みました。1926年には中国共産党に入党し、共産主義者としての活動を本格化させました。1927年の南昌蜂起では、参謀長として指揮を執り、その軍事的な才能を発揮しました。その後、1928年からモスクワのM.V.フルンゼ名称軍事アカデミーに留学し、軍事理論を深く学びました。1930年に帰国すると、長征では党中央軍事委総参謀長として重要な役割を果たしました。

日中戦争と国共内戦

日中戦争中には、八路軍第129師団長として、日本軍と戦いました。その後の国共内戦では、晋冀魯豫軍区、中原野戦軍、中国人民解放軍第2野戦軍の司令員として、鄧小平（政治委員）と共に国民党軍と戦い、数々の勝利を収めました。第2野戦軍は当時、「劉鄧軍」と称され、その強さが広く知られていました。1949年の中華人民共和国建国に際して、劉伯承は多大な貢献をしました。

元帥としての晩年

1955年には、十大元帥の一人に選ばれ、その序列は4位でした。1956年9月28日には、第8期1中全会で中共中央政治局委員に選出されました。しかし、1958年には林彪と対立して失脚しました。その後、1966年には党中央軍事委副主席、全人代常務委副委員長に就任しました。

劉伯承は、過去の戦闘中に片目を失明しており、普段は眼鏡をかけていました。そのため、「独眼竜将軍」という異名を持ち、また「軍神」とも呼ばれていました。彼は、劉将軍としても広く知られています。

鄧小平との関係

鄧小平との友好関係は生涯続き、「劉鄧不可分」と言われるほどでした。鄧小平の有名な「白猫黒猫論」は、元々四川の諺であり、最初に提唱したのは同郷の劉伯承でした。この事実は、二人の深い結びつきを示す一例と言えるでしょう。

死去と遺産

劉伯承は1986年10月7日に93歳で亡くなりました。彼は、十大元帥の中で最も長命を保った人物です。彼の軍事的な才能と国家への貢献は、今でも中国で高く評価されています。

関連事項

チベット侵攻 (1950-1951)
劉伯承記念館（中国共産党党史人物記念館）

劉伯承は、その生涯を通じて、中国の革命と発展に大きく貢献した偉大な軍人であり政治家でした。

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