中国共産党中央組織部

中国共産党中央組織部：党の人事を支える中枢機関

中国共産党中央組織部は、中国共産党の中枢機関の一つであり、党の人事管理を主な任務とする組織です。1924年5月に中央宣伝部などと共に設立され、党内でも歴史の古い機関の一つに数えられます。その役割は、党の運営基盤を支える上で極めて重要であり、党の安定と発展に大きく貢献しています。

人材登用と育成：党の未来を担う人材の発掘

中央組織部は、中国各地から優秀な若手党員を中央に抜擢する役割を担っています。地方で実績を上げた有能な人材を発掘し、党の中枢機関に登用することで、組織全体の活性化を図っています。また、党の方針に沿った幹部育成にも力を注いでおり、党の政策を推進できる人材の育成に尽力しています。そのため、全国各地の党幹部や党員の経歴、能力、人となりなどを詳細に記録した統計や檔案（身上調査書）などを掌握しています。これは、適切な人材を適切なポストに配置するために不可欠な情報です。

引退党員の支援：党への貢献に報いる

中央組織部は、党のために長年貢献してきた引退党員の生活支援や福利厚生にも配慮しています。長年党のために尽力した人々の生活を支えることで、党への信頼と結束を強化する役割も担っています。

組織運営と権限：党内における重要な位置付け

中央組織部の部長は、中央政治局委員から選出されるなど、党内における高い地位と権限を有しています。中央宣伝部、中央統一戦線部と並ぶ重要な機関であり、党の人事に関する重要な決定は、この組織部を介して行われます。また、各級政府の人事部長は、同級の党組織部副部長が兼任する慣例となっており、国務院人事部長なども中央組織部の副部長が務めるケースが多くあります。

さらに、省級党委員会書記の交代時には、中央組織部常務副部長が立会い、その任命を発表するのが慣例となっています。これは、党の人事異動における透明性と規律を維持するための重要な手続きです。2010年4月には、新疆ウイグル自治区党委書記の交代において、当時の部長であった李源潮氏が副部長に代わってその任を務めた事例もあります。

歴代部長：中国共産党の歴史を彩る人物たち

中央組織部は、中国共産党の歴史において多くの重要な役割を担ってきたことから、歴代の部長には党の指導者層から選ばれた重鎮が名を連ねています。以下に歴代部長を列記します。

彭真（1949年10月 - 1953年4月）
饒漱石（1953年4月 - 1954年4月）
鄧小平（1954年4月 - 1956年11月）
安子文（1956年11月 - 1966年8月）
注：文化大革命が始まってまもなく、中央組織部は業務停止となりました。
郭玉峰（1975年6月 - 1977年12月）
胡耀邦（1977年12月 - 1978年12月）
宋任窮（1978年12月 - 1983年2月）
陳野蘋（1983年2月 - 1984年4月）
喬石（1984年4月 - 1985年7月）
尉健行（1985年7月 - 1987年5月）
宋平（1987年5月 - 1989年12月）
呂楓（1989年12月 - 1994年10月）
張全景（1994年10月 - 1999年3月）
曾慶紅（1999年3月 - 2002年10月）
賀国強（2002年10月 - 2007年10月）
李源潮（2007年10月 - 2012年11月）
趙楽際（2012年11月 - 2017年10月）
陳希（2017年10月 - ）

関連組織

中国共産党中央党校
* 中国共産主義青年団

中央組織部は、中国共産党の組織運営において中心的な役割を果たす機関です。その活動は、党の安定と発展に不可欠であり、今後もその重要性はますます高まっていくと考えられます。

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