中国共産党中央顧問委員会

中国共産党中央顧問委員会の概要

中国共産党中央顧問委員会、略して中顧委は、1982年から1992年の間に存在した、中国共産党の補佐および助言機関です。この委員会は、老齢化した革命第一世代の古参幹部を中央委員会から引退させることを目的として設立され、党の世代交代を助けるための重要な役割を果たしました。

加入資格が40年以上の党員歴を持つ古参党員に限定されている中顧委では、党の方針や政策に対して提言を行い、党中央からの諮問を受けて重要な問題を処理しました。当初の主任であった鄧小平は、この機関を「過渡的性質の組織」と表現し、爰にその時代の変化を見越していました。

歴史的な背景

中顧委の設立に至る背景には、1978年の第11期3中全会で職務の終身制度を廃止する提案がありました。この時期、鄧小平はリーダーシップの世代交代を行うことの重要性を強調し、1982年には第12回党大会において古参幹部が引退する場を設けることを決定しました。

しかし、設立後も古参幹部は主要な役職に留まり続け、政治局のメンバーの平均年齢も高いままでした。そのため、鄧小平の意図する世代交代は思うようには進まず、政治局は主に古い世代によって占有されていました。特に、胡耀邦が復帰することで、保守派の影響が強まる結果となりました。

組織の機能

中顧委は、党中央委員会全体会議や政治局全体会議に参加する権限が与えられ、顧問委員会の委員は党中央政治局委員と同格とみなされました。これにより、古参の党員が制度的に権力を維持しつつ、世代交代を図る鄧小平の狙いには矛盾が生じました。

また、1987年の第13回党大会では、古参幹部の影響力がさらに強調され、改革派の互いの関係が悪化しました。胡耀邦はこの過程で攻撃を受け、党総書記を辞任する事態に至りました。これにより、中顧委はかろうじて存在を維持したものの、実際には党内の保守派の影響は衰えませんでした。

終焉とその後

1992年に中顧委は「第14回党大会以降、中央顧問委員会を設置しない」という方針を党中央に提言し、その後の第14回党大会で公式に廃止されることになりました。この決定に対し、委員たちからは反対の声が上がりましたが、最終的には鄧小平の意向が優先されました。

中顧委は等々の経緯を経て、これまでの古い体制と戦ってきた歴史を残しましたが、設立の目的であった世代交代を完全には果たすことはできませんでした。これによって中国共産党内の古参幹部の権力の在り方や、世代交代に対する抵抗感が見え隠れします。さらなる時代の変化に向けての課題が残されたことが分かります。

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