中国共産党第十一期中央委員会第五回全体会議

中国共産党第十一期中央委員会第五回全体会議

中国共産党第十一期中央委員会第五回全体会議（以下、5中全会）は、1980年の2月23日から29日まで北京で開催されました。この会議は「第11期5中全会」としても知られています。5中全会では、当時の指導者であった華国鋒が主催しましたが、華国鋒の権限はすでに脅かされており、その後の決定的な結果が待っていました。

1978年の12月に行われた第11期3中全会では、華国鋒を支えていた「すべて派」が敗北を喫していました。この背景の中、5中全会では華国鋒の側近であった汪東興が、党中央委員会副主席および中央政治局常務委員の職務を解かれました。これにより、華国鋒指導部は事実上解体されたと見ることができます。また、紀登奎、呉徳、陳錫聯といった他の重要な指導者も党と国家の役職から解任されました。

一方で、鄧小平の右腕であり党中央秘書長を務めていた胡耀邦と、四川省の経済運営が評価された趙紫陽が新たに政治局常務委員に任命されました。さらに、党中央の業務効率化を図るために中央書記処が設置され、胡耀邦が総書記に、他の数名が書記に任命されました。この結果、鄧小平派が党中央で重要な役割を果たすことが明確になりました。

鄧小平が実権を掌握した3中全会以降の動きは文化大革命の否定に向かっていました。その中でも特に重要だったのは、5中全会において文革の犠牲者であった劉少奇の名誉回復が全面的に実現されたことです。彼はかつて「叛徒、内奸、工賊」とされ、党からも除名されていましたが、その「誤った決議」はこの会議において取り消されました。これにより、劉少奇は「偉大なマルクス主義者」として再評価されることになりました。

しかし、劉少奇の名誉回復を祝う場、特に5月17日に人民大会堂で行われた追悼大会において、当時の総書記である鄧小平は、林彪や四人組といった個人を引き合いに出し、劉少奇が受けた迫害の背景には、権力を奪取する反革命的目的があったと述べています。これは、劉少奇に対する弔辞の中での言及にとどまりました。

このように、5中全会は中国共産党の歴史において重要なターニングポイントとなりました。華国鋒指導部の解体と鄧小平派の登場は、中国の政治構造に大きな変化をもたらし、それ以降の政策にも深く影響を及ぼすこととなりました。この会議の成果は、中国の経済改革や開放政策の方向性を決定づける重要な要素となったのです。

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