中国工商銀行

中国工商銀行 (ICBC)

中国工商銀行（ちゅうごくこうしょうぎんこう、英: Industrial and Commercial Bank of China Limited、略称: 工行またはICBC）は、中華人民共和国の北京市に本社を持つ国有の商業銀行です。この銀行は、中国の四大商業銀行の一角を成す機関で、世界的にも顕著な存在となっています。

歴史と設立背景

1984年、中国人民銀行の中央銀行としての機能が独占的に行使されるようになり、一般銀行業務は新たに設立された銀行に移譲されました。これにより、中国工商銀行が誕生しました。その後、銀行は業務を拡大し、国内外での支店網を増やしていきました。

世界的な地位

中国工商銀行は、総資産約4兆米ドル（約20兆人民元）や営業収益約6,000億人民元を誇り、2018年時点では世界最大の銀行とされています。特に、2013年7月にはフィナンシャル・タイムズが発行した銀行ランキングにおいて、総資産と営業収益の面で世界第一の地位に到達しました。現在、中国国内と海外合わせて17,613の支店を持ち、19,026台のATMが設置され、424,516人もの従業員が働いています。

重要な業績と動向

2003年、中国工商銀行はベルギーのフォルティスグループからGenerale Belgian Bankの香港支店を取得しました。これにより、国際的な存在感を増し、さらに2019年にはアメリカにおいてドナルド・トランプとの関係が注目を集めることとなります。トランプ・タワーにおいて、同行は最大のオフィステナントの一つでしたが、米中貿易戦争の影響でリース契約が終了すると報じられましたが、最終的には新しい契約を結び、一部のフロアを維持することになりました。

株式上場

中国工商銀行は、2006年5月28日にゴールドマン・サックスやアメリカン・エキスプレスなどからの出資を受け、株式上場の準備を進めました。特に、ゴールドマン・サックスは26億ドルもの投資を行い、同バンクの大株主となりました。2006年10月27日には、香港証券取引所と上海証券取引所に上場し、その公開額はNTTドコモの記録を超え、史上最大の規模となりました。

上場後、株価は急上昇し、JPモルガン・チェースやHSBCなどの欧米金融機関を次々と上回る時価総額を達成しました。2007年7月には、シティグループを抜いて世界第1位の地位に到達しました。2012年4月には、シンガポールのテマセク・ホールディングスがゴールドマン・サックスが保有していた株を買い取ると発表し、テマセクは大株主の一人となりました。

終わりに

中国工商銀行は、四大商業銀行の一つとしての地位に加え、国際舞台でも重要な役割を果たしています。その成長と影響力は、今後も注目されることでしょう。

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