中国工程院

中国工程院について

中国工程院（Chinese Academy of Engineering）は、中華人民共和国における工学および技術科学分野における最高位の学術機関です。国務院の直属機関として、国の科学技術政策の策定において重要な役割を果たしています。1994年に中国科学院から独立する形で設立され、中国の科学技術の発展を牽引する機関として活動しています。

概要

中国工程院は、設立以来、政府の各部門や委員会からの委託を受け、国家の主要な計画、政策、指針に関する助言を提供してきました。中央政府や地方自治体の要請に基づき、研究活動を積極的に展開し、戦略的な提言を行っています。これらの活動は、国家レベルでの意思決定に大きな影響を与えています。また、院士と呼ばれるメンバーは、自身の経験や国際的な動向に基づき、定期的に意見や提案を行っています。

歴史

中国工程院の前身は、中央研究院です。中央研究院は、国共内戦後に台湾に移転し再建されました。一方、北京では、中華人民共和国成立後、残された施設と人材を基に中国科学院が設立されました。その後、1977年には人文社会科学部門が中国社会科学院として独立し、さらに1994年に工学・技術分野の研究を専門とする中国工程院が設立されました。この歴史的背景が、中国工程院の設立と発展に影響を与えています。

院士

中国工程院の院士は、中国における工学・技術科学分野での最高位の称号であり、終身の称号です。院士は、既存の院士による選挙で選出され、その構成は院士、資深院士、外籍院士の3つに分かれます。院士は、各分野で顕著な創造的業績を挙げた専門家であり、中国の科学技術の発展に大きく貢献しています。

院士の資格

中国工程院の院士に選ばれるためには、工学・技術科学分野で傑出した創造的な業績と貢献が必要です。対象となるのは、中国籍を有する上級技術者、教授、その他の学者や専門家であり、台湾、香港、マカオ、および海外在住者も含まれます。中国籍を持たない場合は、外籍院士として選出されます。

院士の選挙

新任の院士を選ぶ選挙は、隔年で行われます。各選挙で選出される院士の総数は、中国工程院の指導部によって決定されます。候補者の審査と選出は専門分野ごとに分かれて行われ、投票は秘密投票で行われます。投票結果は指導委員会によって監査され、最終的な当選者が決定されます。

機構

中国工程院は、以下の組織で構成されています。

院士大会：院士全体の会議。
主席団：運営を統括する。
顧問：院の運営に関する助言を行う。
院領導：院長、副院長など執行部。
専門委員会：特定のテーマに関する調査や研究を行う（7個）。
学部：専門分野別の組織（9個）。
事務機構：院の事務全般を担う。

歴代院長には、朱光亜、宋健、徐匡迪、周済などがいます。現在の幹部は、院長、党組書記、副書記、副院長、秘書長などで構成されています。

関連事項

中国工程院は、国務院、中国科学院、中国社会科学院と密接な関係があります。また、日本の学術機関である日本学士院、日本工学アカデミー、日本学術会議とも比較されることがあります。

外部リンク

中国工程院公式サイト（中国語）
* 中国工程院公式サイト（英語）

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