中国投資

中国投資有限責任公司（China Investment Corporation）について

中国投資有限責任公司（CIC）は、中華人民共和国の政府が設立したファンドであり、2007年9月29日に運用を開始しました。このファンドは、外貨準備として2000億ドルを運用しており、中国の巨額の外貨準備（約1.4兆ドル）を長期的に管理する役割を担っています。政府は、これらの資金を合理的に運用する方法を模索する中で、シンガポールのテマセク・ホールディングスをモデルにしてこの機関を設立しました。

実績と投資戦略

CICは、設立以来、さまざまな国際的な投資を行ってきました。例えば、2007年6月にはブラックストーン・グループの約9.37%の株式を30億ドルで取得し、同年12月にはモルガンスタンレーの約9.9%の株式を50億ドルで購入しました。これらの取引により、CICは短期間で3000億ドルの運用資産を持つに至りました。

日本にも大きな投資を行っており、2011年の福島第一原子力発電所事故の際、東京電力への投資による損失が報じられました。このことがきっかけで、中国投資の副総経理である汪建熙は、日本の大企業に投資していることを認めました。2012年には、中国投資系のファンドがトヨタ自動車を含む174～238社の大株主になることが報じられたため、中国の技術力向上を目指す動きがクローズアップされました。

様々な関与と影響

2015年には、森トラストの目黒雅叙園が米ファンドに買収される際に、その資金の約9割がCICから提供されていたことが注目を集めました。また、同年には主要な株主名義から次第に姿を消しましたが、日本のメガバンクに対する関わりは残りました。

2017年11月、米国大統領ドナルド・トランプの訪中に合わせて、CICはゴールドマン・サックスと共に米国の製造業に投資するための「米中産業協力基金」を設立する合意に至りました。このファンドは、50億ドル規模の投資を計画しています。

結論

中国投資有限責任公司は、中国政府が資産を国際的に運用するために設立した重要な機関です。その活動は、中国にとっての外貨準備の運用だけでなく、国際市場における影響力の強化にも寄与しています。CICの投資戦略や過去の実績は、今後の財政政策や国際関係にも大きな影響を及ぼすと考えられています。

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