目黒雅叙園

目黒雅叙園 - 概要

目黒雅叙園（めぐろがじょえん）は、東京都目黒区に存在する多様な機能を備えた複合施設であり、結婚式場、ホテル、レストランなどが集まっています。この施設は、運営法人である株式会社目黒雅叙園が管理し、ワタベウェディングの完全子会社として運営されています。目黒雅叙園の土地全体は、外資系のラサール・インベストメント・マネージメントが所有する特別目的会社によって保有されています。2017年4月からは「ホテル雅叙園東京」という新しい名称に改称されました。

沿革

この施設は1928年に創業者である細川力蔵によって東京・芝浦で設立された「芝浦雅叙園」に端を発し、その後、目黒区に移転して1931年に「目黒雅叙園」として再オープンしました。目黒雅叙園は、日本初の総合結婚式場であり、当時は本格的な中華料理と日本料理を提供する料亭として名を馳せました。特に、価格を明示したメニューは当時の常識を覆すものであり、一般市民の来店を促進しました。また、細川力蔵によって発明されたターンテーブルも、この場所から広まったという説があります。

歴史的な背景としては、1945年の終戦時に、この場所が重要な出来事の舞台となったことがあげられます。多くの芸術家が往来し、昭和初期の美術作品の数々が披露されていました。特に、太宰治の小説『佳日』では、木造の旧館が描かれています。昭和時代の豪華な装飾は、「昭和の竜宮城」と評され、さまざまな映画のモデルになりました。特に、「千と千尋の神隠し」ではその湯屋がこの雅叙園を参考にしているとされています。

建築と文化財

目黒雅叙園内には、東京都の有形文化財に指定されている「百段階段」という名の美しい木造建築があります。この階段は実際には99段で、装飾が豊かであり、芸術的価値が高いとされています。希望者はその観覧申請が可能で、イベントに合わせた特別公開も行われています。2010年には初めて「百段雛まつり」が開催され、豪華な雛が展示されるなど、地域文化の発信にも寄与しています。

経営の変遷

創業者の細川力蔵の死後、雅叙園は同族経営を経て、2002年には経営破綻が起こり外資ファンドに買収されました。その後、ワタベウェディングに買収され、完全子会社として運営されています。2014年には、森トラストがこの施設を取得したことで、さらなる経営の安定が図られました。

現在の状況

目黒雅叙園は、結婚式や宿泊、食事を楽しむことができる文化的なスポットとして広く知られています。施設内のアルコタワーは、外資系企業が多数入居しており、ビジネスの中心地としても利用されています。目黒雅叙園は、その豊かな歴史と文化的な意義から、今なお多くの人々に愛され、訪れる人々を魅了しています。文化財としての価値も高く、地域の新たな観光名所としての役割を果たしています。

もう一度検索