沖縄赤十字社

沖縄赤十字社は、1959年にアメリカ合衆国施政権下の沖縄で設立された財団法人です。本土復帰前の沖縄地域において、赤十字活動を担っていた唯一の団体であり、現在の日本[[赤十字社]]沖縄県支部の前身にあたります。ただし、「沖縄赤十字社」という名称は沖縄地域内でのみ使用され、対外的には「琉球臨時厚生協会」という名称を用いていました。

概要

沖縄における赤十字活動は、1889年（明治22年）6月に日本[[赤十字社]]沖縄委員部が設立されたことに始まります。しかし、1945年（昭和20年）の沖縄戦により、その活動は一時的に中断されました。終戦後の1948年には、沖縄の各群島で臨時厚生協会が設立され、赤十字活動が再開されました。1950年には、各群島を包括する琉球臨時厚生協会へと改組され、奄美、宮古、八重山に支部が設置されました。1954年7月、琉球臨時厚生協会は、沖縄地域内でのみ「沖縄赤十字社」と称するようになり、1959年12月には琉球政府により財団法人沖縄赤十字社として認可されました。1972年（昭和47年）5月15日の沖縄本土復帰に伴い、沖縄赤十字社は解散し、日本[[赤十字社]]沖縄県支部へと移行し、現在に至っています。

名称

赤十字活動は「一国一社」を原則とするため、アメリカ施政権下にあった沖縄では、当初「赤十字社」の名称を使用することができませんでした。そのため、「臨時厚生協会」という名称を用いることになりました。しかし、「臨時厚生協会」という名称では、赤十字としての活動に支障をきたすことがあったため、琉球臨時厚生協会は赤十字活動の趣旨を徹底することを目的とし、1954年から沖縄地域限定で「沖縄赤十字社」という名称を使用するようになりました。ただし、対外的には従来の「琉球臨時厚生協会」という名称を使い続けました。

活動

沖縄赤十字社は、日本[[赤十字社]]やアメリカ[[赤十字社]]、アメリカ軍からの協力や支援を受けながら、様々な業務を行っていました。主な活動としては、災害時の救護支援活動や医療活動、血液事業などがありました。沖縄赤十字社が救護支援を行った主な事故や災害には、以下のものがあります。

伊江島米軍弾薬輸送船爆発事故（1948年8月6日）
ルース台風（1951年10月）
宮森小学校米軍機墜落事故（1959年6月30日）
チリ地震津波（1960年5月）
みどり丸沈没事故（1963年8月17日）

これらの災害や事故に対し、救護班の派遣や医療物資の提供などを行い、被災者の支援に尽力しました。

運営施設

沖縄赤十字社は、以下の医療施設を運営していました。

厚生協会診療所（1952年）
厚生協会病院（1953年）
沖縄赤十字病院（1959年）
沖縄血液センター（1967年）

これらの施設は、地域住民の医療を支える重要な役割を果たしました。

歴代会長

沖縄赤十字社の歴代会長は以下の通りです。

初代 - 胡屋朝賞：1959年（昭和34年）12月8日～1971年（昭和46年）9月15日
2代 - 当間重剛：1971年（昭和46年）9月16日～1971年（昭和46年）10月20日
3代（代行） - 安次富長昌：1971年（昭和46年）11月2日～1972年（昭和47年）5月14日

これらの会長たちは、沖縄赤十字社の運営に尽力し、地域医療の発展に貢献しました。

関連事項

沖縄赤十字社に関連する事項として、以下のものがあります。

赤十字社
日本[[赤十字社]]
大韓赤十字社
朝鮮赤十字会
中国紅十字会
中華民国紅十字会
琉球政府

外部リンク

日本[[赤十字社]]沖縄県支部公式サイト

沖縄赤十字社は、沖縄の戦後復興と地域医療の発展に大きく貢献した組織であり、その歴史は今日の日本[[赤十字社]]沖縄県支部に受け継がれています。

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