朝鮮赤十字会

朝鮮赤十字会

朝鮮赤十字会（ちょうせんせきじゅうじかい）は、朝鮮民主主義人民共和国（北朝鮮）の赤十字組織であり、国際赤十字赤新月社連盟に加盟しています。略称は朝赤（ちょうせき）です。設立は1946年で、北朝鮮における人道支援活動の中核を担っています。

組織

組織の中央委員会が運営を担っており、2001年時点では213人の職員が活動していました。財政面では、朝鮮赤十字基金からの支援を受けています。現在の委員長は康智英（カン・ジヨン）氏、副書記長は李虎林（リ・ホリム）氏が務めています。

歴史

朝鮮赤十字会の歴史は、1946年10月18日に設立された北朝鮮赤十字社に遡ります。この日が設立日とされています。

1948年12月には、内閣決定により「人民の自発的意思による保健衛生および救護団体」と規定されました。朝鮮戦争（1950年6月25日〜1953年7月27日）では、戦時救護活動を実施しました。1956年には赤十字国際委員会に承認され、75番目の加盟国となりました。なお、大韓赤十字社は前年の1955年に74番目で承認されています。

1959年から1984年にかけては、日本赤十字社と共同で在日朝鮮人の帰還事業を実施しました。1970年のよど号ハイジャック事件では、日本赤十字社からの要請を受け、乗客・乗員の安全確保に努めました。1971年からは、離散家族問題を主要テーマとした北南赤十字会談を開始し、1985年には「北南離散家族故郷訪問・芸術団公演」を実現しました。

また、災害支援活動も積極的に行っており、1984年のソウル・京畿道豪雨水害では、韓国側に救援物資を提供しました。1995年の阪神・淡路大震災では、日本赤十字社に慰問金を送付し、国内の大規模水害では被災者救援活動を展開しました。1999年からは、国際赤十字連盟と共同で国内医療支援プロジェクトを開始し、2000年には第1回北南離散家族再会を実現しました。

2002年には、日本人拉致被害者5人の一時帰国に際し、副書記長の李虎林氏らが同行しました。2004年には、龍川駅列車爆発事故で国際赤十字と連携して救護活動を行い、新潟県中越地震では日本赤十字社に慰問電を送り、慰問金も送付しました。スマトラ沖地震では、北朝鮮政府が緊急援助を決定しました。2005年には、ハリケーン・カトリーナの被災地へ慰問の手紙を送付しています。

2006年には、離散家族再会事業の中止を韓国側に通告しましたが、創立60周年記念報告会を開催しました。2011年には、東日本大震災で日本赤十字に慰問金を送付しています。2019年には、北朝鮮の遭難船員の帰国支援に対する謝意を日本側に表明しました。

主な活動

災害時の救護活動
離散家族問題への取り組み
在日朝鮮人帰還事業への協力
医療支援活動

関連組織

朝鮮赤十字総合病院
朝鮮赤十字基金


朝鮮赤十字会は、北朝鮮における人道支援活動において重要な役割を果たしています。

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