中国銀聯

中国銀聯：中国を代表する電子決済システム

中国銀聯は、中華人民共和国の電子決済を支える巨大な金融機関です。2002年の設立以来、中国国内の金融システムを統合し、国民生活に不可欠な存在となりました。上海に本社を置く同社は、独自の決済ネットワーク「銀聯（UnionPay）」を運営し、世界180カ国以上にそのサービスを拡大しています。

銀聯ネットワーク：中国金融システムの統合

設立以前の中国では、金融機関ごとのシステムがバラバラで、異なる機関間の取引が困難でした。銀聯の設立は、この問題を解決する大きな転換点となりました。中国人民銀行の主導の下、国内の多くの金融機関が参加し、統一された決済システムを構築。オンラインネットワークを通じて、加盟金融機関間の円滑な取引を実現しました。現在では、国内外の約400の組織が銀聯ネットワークに参加しています。

銀聯カード：国内シェア9割超の決済手段

銀聯カードは、銀聯ネットワークを基盤とするキャッシュカード、クレジットカード、デビットカードの総称です。中国国内で発行されているカードの大半を占め、その普及率は圧倒的です。デビットカードが中心ですが、クレジットカードも利用可能です。中国国外でも利用可能で、VisaやMastercardと同様に国際的な決済ブランドとしての地位を確立しつつあります。2016年末には、中国国内だけで62億枚（クレジットカードは5億枚）が発行され、決済額は72兆9000億人民元に達しました。日本国内でも、一部のクレジットカード会社が銀聯カードの発行を行っています。

多様な決済サービス：時代のニーズに対応

銀聯は、時代に合わせて多様な決済サービスを提供しています。代表的なものとして、NFC技術を用いた非接触決済「QuickPass」、スマートフォンによる非接触決済「Mobile QuickPass」、QRコード決済「UnionPay QR Code」などがあります。これらのサービスは、中国国内だけでなく、海外でも利用できるようになっています。さらに、オーストラリア、シンガポール、韓国在住者向けの中国ビザ発行エクスプレスサービスも提供しています。

参加金融機関：主要銀行が多数参加

銀聯カードは、中国の主要銀行をはじめ、多くの金融機関によって発行されています。中国銀行、中国工商銀行、交通銀行、中国農業銀行、中国建設銀行など、国内を代表する金融機関が銀聯ネットワークに参加し、サービスの安定性と信頼性を高めています。海外の銀行も参加しており、国際的なネットワーク構築に貢献しています。

国際的な展開：グローバルな決済ブランドへ

銀聯は、中国国内での圧倒的なシェアに加え、海外への展開も積極的に進めています。日本、アメリカ、韓国、東南アジア、ヨーロッパなど世界180カ国以上に加盟店を拡大し、国際的な決済ブランドとしての地位を確立しつつあります。VisaやMastercardとの競合も激化しており、グローバルな決済市場において重要な役割を果たしています。

未来展望：更なる進化と課題

中国銀聯は、今後も技術革新を続け、新たな決済サービスを提供していくことが予想されます。モバイル決済の普及、フィンテック技術の進化、国際的な競争激化など、様々な課題に対応しながら、中国経済の成長を支え、グローバルな決済システムとして更なる発展を目指していくでしょう。また、セキュリティ対策の強化も重要な課題となります。

関係団体

中国銀聯は、日本のコード決済統一規格であるJPQRにも参加しています。また、国際的な決済ネットワークであるPLUSやCirrusとも提携しています。中国国内では、アリペイ（支付宝）やWeChat Pay（微信支付）といったモバイル決済サービスが台頭していますが、銀聯はそれらと競合しつつ、独自の強みを生かして市場を拡大しています。

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