中外日報

中外日報（ちゅうがいにっぽう）

『中外日報』は、京都市南区に本社を置く中外日報社が発行する宗教専門紙です。1897年に創刊され、1世紀以上にわたり宗教界の動向を伝えています。

概要

現在、中外日報は毎週水曜日と金曜日の週2回発行されています。紙面構成は、社説、ニュース、論文、コラム、インタビュー、そして各宗派の動向を網羅した日誌など、多岐にわたります。特定の宗派に偏らず、幅広い視点から宗教に関する情報を提供している点が特徴です。

沿革

中外日報は、1897年（明治30年）10月1日に真渓涙骨（しんけいるいこつ）によって「教学報知」として創刊されました。創刊当初から信教・思想の自由を掲げ、特定の宗派に偏らない宗教専門紙としてスタートしました。当初は旬刊でしたが、半年後には隔日刊となり、1901年（明治34年）4月からは日刊として発行されるようになりました。

1902年（明治35年）1月に「中外日報」と改題し、宗教を中心に、文学、教育、芸術、文化、政治、実業など、報道範囲を拡大しました。明治期には安藤正純、和田幽玄、加藤咄堂、小笠原秀実らが論説記者として活躍し、大正期には伊藤証信、石丸梧平、野々村直太郎、島田清次郎、土田杏村、三浦参玄洞などが加わりました。各時代を代表する宗教家、思想家、学者、作家などが論文や作品を数多く発表し、近代日本における宗教ジャーナリズムの礎を築きました。

太平洋戦争中には、政府による新聞統制が行われましたが、京都では京都新聞と中外日報の二紙が例外的に発行を認められました。戦後も京都仏教界に関する報道で京都新聞と競い合い、現在に至っています。

編集と経営の中心は長年、社主の真渓涙骨が担っていましたが、1953年（昭和28年）に株式会社へと組織変更しました。1956年（昭和31年）に真渓が没した後は、今東光や吉田留次郎などが社長を歴任しました。今東光が社長在任中の1958年（昭和33年）には、東京支社（現東京本社）が開設され、新聞記者時代の司馬遼太郎が小説『梟のいる都城』を連載、後に『梟の城』として出版され、直木賞を受賞しました。

事業所

京都本社: 京都市南区東九条東山王町9
東京本社: 東京都文京区本郷4-9-13

涙骨賞

中外日報社は、創業者の真渓涙骨を記念して2004年に涙骨賞を創設しました。人間の精神文化に関わる論文を年1回公募するほか、第13回からは実践部門も設けられ、優れた社会救済活動を行った団体や人物に贈られています。

関連項目

真渓涙骨 - 創刊者
仏教タイムス - 仏教界を対象とする週刊業界紙

外部リンク

中外日報
中外日報 (@chugainippoh) - X（旧Twitter）

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