安藤正純

安藤 正純について

安藤正純（あんどう まさずみ、生年1876年9月25日 - 死没1955年10月14日）は、明治から昭和にかけての日本のジャーナリストであり、政治家としても活躍した重要な人物です。彼は大正から昭和期にかけての日本の政治や教育に大いに寄与しました。正純は、正三位の位階と勲一等の勲等を受けており、その業績や影響力は多岐にわたります。

生い立ちとキャリアの開始

安藤は東京府東京市浅草区に生まれ、真宗大谷派の僧籍を有する家庭に育ちました。彼の父親は真龍寺の住職であり、安藤は青年時代から宗教改革運動に熱心でした。学生時代には哲学館（現 東洋大学）や東京専門学校（現 早稲田大学）で哲学を学びました。1895年に哲学館を卒業した後、1899年には東京専門学校の哲学科を卒業しました。 1890年代の初頭には、陸羯南が主宰する新聞『日本』で記者として活動し、その後、東京朝日新聞に転職。1920年には同新聞の取締役編集局長に就任します。

政治活動

正純の政治家としてのキャリアは、1920年の衆議院議員総選挙に無所属で当選したことから始まります。彼はその後、合計11回当選することとなり、立憲政友会に入党。鳩山一郎派に所属し、文部政務次官や政友会幹事長などを歴任しました。

特に注目すべきは、戦前から反軍的な立場を強めていたことです。1941年には、鳩山らと共に翼賛議員連盟に対抗する「同交会」を結成し、翌年の翼賛選挙では非推薦で再度当選を果たしました。このようにして、安藤は戦時中も独自の政治的立ち位置を保持し続けました。

戦後の活動

戦後、安藤は鳩山や植原悦二郎と共に新しい政党の結成に動き、1945年に結成された日本自由党では政務調査会長となりますが、翌年には公職追放を受けます。1950年にその追放が解除されると、再度政治の舞台に戻り、1952年の総選挙で国政に復帰します。その後、自由党内では三木武吉、石橋湛山、河野一郎らとともに反吉田茂の「民主化同盟」を結成しましたが、1953年には「鳩山自由党」に参加しませんでした。

安藤は1953年の第5次吉田内閣で国務大臣として入閣し、吉田首相の意向を反映する形で政権延命を目指す動きに加わりました。彼は鳩山邸での説得を通じて、鳩山自由党の復帰を促しましたが、その後の党内の動揺から自由党を脱党し、日本民主党を新たに結成します。

教育への情熱と晩年

文部大臣としての役割を果たした安藤は、社会科の改訂案について提案し、特に道徳教育の重要性を強調しました。この提案は賛否が分かれ物議を醸しましたが、彼の教育への情熱は一貫していました。1955年、胃癌のため79歳で亡くなり、その死去の際には勲一等瑞宝章が追贈され、正三位に叙される栄誉が与えられました。

主要な著作

安藤正純は、多数の著書を残しています。彼の著作は政治や宗教に関連するテーマが多く、特に『公平評論 天理教大断案』や『教界の婦人』などはその一部です。彼の思考や活動を知る上でも、彼の著作は重要な資料となっています。彼の生涯は、政治、教育、宗教の各側面で深い影響を与えたものであり、安藤正純の存在は近代日本の発展に寄与した一人として記憶されています。

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