中央橋 (梓川)

中央橋は、長野県松本市梓川岩岡と新村小宮・北新を結ぶ、県道320号倭北松本停車場線に架かる橋です。地域では「岩岡橋」として親しまれてきました。

歴史

1936年（昭和11年）に、旧倭村によって全長229メートルの木橋が架けられました。しかし、梓川の氾濫により橋脚や橋の一部が流失する被害が相次ぎ、維持に苦労が絶えませんでした。特に、1961年（昭和36年）6月の集中豪雨では、146メートルもの橋が流失する大きな被害を受けました。

その後、梓川村は災害復旧事業の認可を受け、復旧工事に着手しました。しかし、翌1962年（昭和37年）6月にも復旧箇所が再び流失するという不運に見舞われました。それでも、1963年（昭和38年）4月22日に全長229メートル、幅員2.8メートルの木橋としてようやく復旧を果たしました。しかし、木橋であったため、重量制限が設けられ、小型四輪以上の車両は通行が制限されていました。

1960年代後半になると、モータリゼーションの進展に伴い、車両交通量が増加し、橋の強化が求められるようになりました。そこで、鋼製橋への架け替えが必要となりましたが、そのためには県道への格上げが必要でした。関係自治体などが「倭北松本停車場線整備促進期成同盟会」を結成し、運動を展開した結果、1970年（昭和45年）1月に県道に認定されました。ただし、長野県は同盟会に対し、5年間は永久橋化の運動をしないことを条件としました。

1975年にも橋脚が流失し、復旧工事が行われ、通行止めとなる事態が発生しました。このような状況から、架け替え工事の必要性がさらに高まりました。1977年（昭和52年）に架け替え工事の調査・測量が開始され、翌1978年度（昭和53年度）から本体工事に着工しました。

そして、1983年（昭和58年）3月、全長225.45メートル、幅員9.75メートル（車道部7.25メートル、歩道部2メートル、分離帯0.5メートル）のPCポステン単純T桁橋として、総事業費5億2800万円をかけて竣工しました。これにより、安全で円滑な交通が確保されることとなりました。

年表

1936年（昭和11年）3月：全長229メートルの木橋として完成
1961年（昭和36年）：集中豪雨により146メートルを流失
1963年（昭和38年）4月：災害復旧により2年ぶりに開通
1970年（昭和45年）1月：橋を含む路線が県道に認定
1977年（昭和52年）：コンクリート橋脚鋼製橋の計画が始まる
1983年（昭和58年）3月：コンクリート橋脚鋼製橋として完成

参考文献

* 梓川村誌編さん委員会『梓川村誌 続編』1999年3月

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