中央研究院天文及天文物理研究所

中央研究院天文及天文物理研究所（Institute of Astronomy and Astrophysics, Academia Sinica, ASIAA）は、台湾における天文学と天体物理学の研究を担う主要な研究機関です。中央研究院の一部門であり、そのルーツは、中央研究院が南京に設立された時代にまで遡ります。

歴史

1928年、中央研究院の設立とともに、初代所長に高魯を迎えて南京に天文研究所が発足しました。しかし、中央研究院が台湾に移転する際、天文研究所は同行せず、その活動は一時的に中断されました。

その後、1992年に中央研究院院士の林家翹によって、天文及天文物理研究所の再設立が提唱されました。この提案は中央研究院評議会で承認され、1993年には研究所の準備室が設置されました。そして、2010年6月1日、正式に天文及天文物理研究所として再スタートを切りました。

現在、研究所は台北市にある国立台湾大学のキャンパス内、天文学・数学ビルに拠点を置いています。また、ハワイには電波天文学のための設備とオフィスを構え、観測研究を行っています。さらに、2004年には国立清華大学内に高等理論天文物理研究センターを開設し、理論研究の分野でもその活動を広げています。

研究活動

中央研究院天文及天文物理研究所では、太陽系、恒星形成、銀河、銀河団、宇宙論といった幅広い分野の研究が展開されています。特に、アメリカ合衆国との協力による宇宙マイクロ波背景輻射アレイ（AMiBA、通称「李遠哲アレイ」）や、台美掩星計画（TAOS）、サブミリ波干渉計計画（SMA）といったプロジェクトは、国際的な注目を集めています。

国際協力も活発に行われており、2005年には日本の国立天文台、韓国天文宇宙科学研究院、中国科学院国家天文台と共に、東アジアにおける国立天文機関の協議体である東アジア中核天文台連合（EACOA）を設立しました。また、チリのアタカマ砂漠に電波望遠鏡群を建設するアルマ計画にも同年から参加し、最先端の観測研究に貢献しています。

これらの研究活動を通じて、中央研究院天文及天文物理研究所は、宇宙の謎を解き明かすための重要な役割を担っています。

外部リンク

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* 高等理論天文物理研究中心

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