中室田町

群馬県高崎市 中室田町

中室田町（なかむろだまち）は、群馬県高崎市の北西部に位置する地域です。かつては群馬郡榛名町に属し、「大字中室田」として知られていました。郵便番号は370-3347です。2012年時点での面積は12.24平方キロメートルを測ります。

地理

この地域は、烏川の中流部の左岸と、その支流である滑川の流域に広がっています。周囲には自然が多く、地域内には天狗山や種山といった山々がそびえています。烏川と滑川は、地域の地形や景観に深く関わっています。

歴史

中室田という地名は、江戸時代頃から存在していました。その領有は時代によって複雑に変遷をたどりました。はじめは高崎藩の支配下に置かれていましたが、元和元年（1615年）には安中藩領に移ります。その後、正保二年（1645年）からは安中藩と旗本本田氏による相給（あいぎゅう）となりました。寛文七年（1667年）には三河中島藩と再び旗本本田氏の相給となり、寛延元年（1748年）には上里見藩の領地となります。明和四年（1767年）には幕府の直轄領（幕府領）となり、文化九年（1812年）には幕府領と旗本蜷川氏による相給という形で江戸時代末期を迎えました。

明治時代に入ると、行政区画の大きな再編が行われます。明治二十二年（1889年）四月一日、町村制の施行に伴い、中室田村は近隣の榛名山村、上室田村、下室田村と合併し、西群馬郡室田村の一部となりました。その後、明治二十九年（1896年）四月一日には、西群馬郡が片岡郡と統合されて群馬郡が成立し、中室田は群馬郡室田村に属することになります。明治三十八年（1905年）四月一日には室田村が町制を施行し、室田町となりました。これにより、群馬郡室田町の大字として位置づけられました。

昭和三十年（1955年）二月一日、室田町は碓氷郡里見村と合併し、新たな自治体として群馬郡榛名町が誕生しました。中室田は榛名町の大字として再編されました。そして、平成十八年（2006年）十月一日、榛名町が高崎市に編入されたことにより、現在の中室田町という名称と所在地に至ります。

地名の由来

「中室田」という地名の由来については、複数の説が伝えられています。一つは、この地域が渓谷が多く、田畑や集落が点在する地形であったことから、「諸田（もろだ）」と呼ばれたものが転じて「室田」となったという説です。もう一つは、平安時代の弘仁年間（810年-824年）にまで遡る伝承に基づくもので、榛名神社の神領地であった「カムロギダ」という名称が長い歴史の中で転訛し、「室田」になったという考え方です。これらの説は、地域の歴史や地形との関連を示唆しています。

世帯数と人口、学区

2017年（平成29年）8月31日時点での世帯数と人口に関するデータが示されています。また、市立小・中学校に通う場合の学区も定められています。

交通

中室田町内には鉄道駅はありません。公共交通機関としては、高崎市が運行する「ぐるりん」バスや群馬バスが利用可能です。道路網としては、地域を東西に横断する国道406号線が主要な幹線道路となっています。また、群馬県道211号安中榛名湖線も地域内を通っており、周辺地域とのアクセスを担っています。

主要施設

地域内には、教育施設である高崎市立中室田小学校や、医療施設である榛名荘病院があります。また、信仰の場として金毘羅神社が鎮座しています。

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