中尾碩志

中尾碩志

基本情報

• - フルネーム：中尾碩志（なかお ひろし）
• - 生年月日：1919年12月1日
• - 出身地：三重県伊勢市
• - 職業：プロ野球選手（投手）
• - 旧名：中尾輝三（なかおてるぞう）
• - 没年月日：1977年12月9日

経歴

中尾碩志は宇治山田で生まれ、旧制京都商業学校を卒業。1939年には東京巨人軍に入団し、野球界にその名を知られることとなります。入団の際には沢村栄治と同じような経歴を持ち、「沢村二世」として期待されました。

初期の活躍

彼は入団初年度から39試合に登板し、12勝を挙げました。5月9日と7月15日の試合で先発し、それぞれの試合で5回以降までリードを保持したものの、勝利投手の記録は別の選手に帰属するという出来事もありました。

11月3日の東京セネタース戦では、ルーキーとしての地位を確立するノーヒットノーランを達成。この試合では運に助けられながらも、初の偉業を成し遂げました。

昭和16年から18年の輝かしい成績

1940年から1941年にかけて2年連続で26勝を記録し、1941年にはエースとして28試合に登板、なんと防御率1.54と179奪三振という圧倒的な成績を記録しました。この年にはまたノーヒットノーランを達成することもでき、特に名古屋軍戦ではチームプレーの力を発揮しました。

1942年には13勝をあげるも、入営のために一旦野球界を離れますが、1946年に復帰。この頃から制球力を重視した技巧派へと変化していきます。1948年には27勝を挙げ、最多勝と最高防御率のタイトルを獲得しました。さらに、1948年には最多奪三振も獲得し、投手三冠王に輝きました。

その後のキャリアと引退

1950年代に入っても中尾は主力投手として活躍し続け、1955年には通算200勝を達成しました。しかし1957年をもって無勝利に終わり、引退を決意します。通算3057イニングを投げ、与四球数も1436という記録を持つ彼は、ジャイアンツの歴史に名を刻む存在となりました。

引退後の活動

引退後は、巨人の投手コーチや二軍監督、さらにはスカウト部長としても活動しました。特に二軍監督の時代には、若手選手の育成に力を注ぎましたが、その厳しさから選手がたじろぐこともあったそうです。

1977年12月9日に急性胆嚢炎で急逝し、享年58歳でした。彼の功績は1998年に野球殿堂入りすることで、改めて評価されました。

特徴とプレースタイル

中尾は剛球ノーコン投手として知られ、初のノーヒットノーランでは十個の四球を許しながらも安打を与えなかった記録を持っています。戦後は技巧派投手に転身し、制球力が評価されるようになりました。

人物

彼は自信を持つ一方で、酒好きな面もあり、一時的にはその性格が裏目に出ることもありました。若手選手を引き連れて楽しんだり、二軍の厳しさから選手が泣きを見るような一面も、彼らしい部分でした。真面目すぎる性格から厳しい指導を行なっていました。

中尾碩志は、プロ野球界における不屈の投手として、数々の記録を残し、後世の選手たちにも影響を与え続けてきました。

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