中山孝雄

中山孝雄（なかやま たかお）氏は、1960年3月15日生まれの日本の裁判官、法務官僚です。長野県上水内郡信濃町のご出身で、1978年に長野県長野高等学校を卒業後、1982年に中央大学法学部法律学科を卒業されました。1984年に旧司法試験に合格し、司法修習39期を経て、1987年に裁判官に任官されました。

裁判官としてのキャリアは、大阪地方裁判所判事補から始まり、長野地方裁判所、富山地方裁判所、名古屋地方裁判所でも判事補を務めました。その後、法務省名古屋法務局訟務部付（検事）や東京地方裁判所判事、新潟地方裁判所新発田支部長などを歴任し、2008年には法務省大臣官房民事訟務課長（検事）に就任しました。

その後も法務省でのキャリアを重ね、2009年には法務省大臣官房訟務企画課長（検事）、2010年には法務省大臣官房審議官（訟務担当）（検事）を歴任。2013年には東京高等裁判所判事に就任し、同年には東京地方裁判所部総括判事も兼務されました。2017年には東京地方裁判所民事部第一所長代行者を務め、2018年には長野地方裁判所所長、長野家庭裁判所所長に就任しました。2020年には東京高等裁判所部総括判事、下級裁判所裁判官指名諮問委員会委員となり、2022年には司法研修所長に就任、2023年からは広島高等裁判所長官を務めています。

中山氏の裁判官としての活動の中で、特に注目されるのは以下の2つの裁判です。

一つ目は、生長の家の幹部が、菅野完氏の著書『日本会議の研究』の販売差し止めを求めた事件です。この裁判で中山氏は、「差し止めが認められるほどの名誉毀損はない」と判断し、差し止めの仮処分命令を取り消しました。

二つ目は、栃木県の砕石業を営む粟野興産が、プレカリアートユニオンを相手取り、会社や社長自宅近辺での街宣活動や銀行など取引先への「不当解雇」撤回などを求める「要望書」を手渡す活動が名誉毀損であるとして、1,000万円の損害賠償を求めた事件です。この控訴審で中山氏は、ユニオン側の活動は正当な組合活動として社会通念上許容される範囲内のものと判断し、違法性が阻却されるとして控訴を棄却、原判決を維持しました。

これらの裁判からも、中山氏が法律の専門家としての知識と経験を持ち合わせ、公正な判断を下す裁判官であることが伺えます。

また、中山氏は、編著書も多く出版しており、以下の書籍が確認されています。

『破産法』（園尾隆司, 西謙二, 中島肇, 多比羅誠と共編）青林書院 2007年
『破産・民事再生の実務（上・中・下）』（西謙二と共編）金融財政事情研究会 2008年
『破産管財の手引』（金澤秀樹と共編）金融財政事情研究会 2015年

これらの著書からも、中山氏が法律分野において深い知見を有していることがわかります。

中山氏は、裁判官、法務官僚としてだけでなく、編著書の執筆を通じて、法曹界に貢献しています。趣味は登山とスキーで、多忙な日々の中でも心身のリフレッシュを欠かさない一面も持ち合わせています。


出典:

広島高等裁判所長官 | 裁判所


外部リンク:

* 広島高等裁判所長官 | 裁判所

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