中山雅行

中山 雅行

中山 雅行（なかやま まさゆき）氏は、1969年9月3日生まれ、埼玉県出身の元プロ野球選手（投手）です。

アマチュア時代の輝き

埼玉県立埼玉栄東高等学校から中央大学へ進学した中山氏は、東京六大学野球の舞台で投手として研鑽を積みました。特に二部リーグでの活躍は目覚ましく、通算で19勝を挙げる好成績を残し、一部リーグでも1勝を記録しています。二年秋からはチームが二部リーグでの戦いを強いられる中、三年春以降は三季連続で一部リーグ昇格をかけた重要な入れ替え戦に挑みましたが、惜しくもいずれも敗退しています。しかし、四年春には二部リーグ最優秀投手に輝くなど、その実力は高く評価されていました。大学四年時にはプロ野球ドラフト会議の候補としても名前が挙がりましたが、プロ入りではなく社会人野球へと進み、強豪・熊谷組に入社します。

熊谷組の一員として臨んだ社会人野球では、さらにその才能を開花させます。1992年の都市対抗野球では、チームのエースとしてマウンドを守り、快進撃の原動力となりました。チームは決勝戦まで駒を進め、決勝では杉浦正則投手擁する日本生命に敗れはしたものの、中山氏のエースとしてのチーム牽引ぶりが高く評価され、大会の若獅子賞を受賞するという栄誉に浴しました。また、この年の全日本選抜メンバーにも選ばれ、国際舞台も経験しています。キューバとの対戦では、当時世界最強と謳われたキューバ打線を相手に、自慢のストレートと鋭く落ちるフォークボールを駆使し、オマール・リナレスやオレステス・キンデランといった強打者たちを翻弄する見事なピッチングを披露しました。

翌年、熊谷組野球部の休部が決定し、チームとして最後の出場となった都市対抗野球では、補強選手としてチームに加わった藪恵一投手（後に阪神タイガースで活躍）と共に二枚看板として期待を集めました。大会の初戦と二回戦では先発のマウンドに上がり、連続でチームを勝利に導く活躍を見せます。しかし、準々決勝では救援投手として登板するも、サヨナラ負けを喫し、熊谷組野球部の歴史に幕が下ろされることとなりました。

プロ入りと海外挑戦

社会人野球での輝かしい実績を引っ提げ、中山氏は1993年のNPBドラフト会議において、千葉ロッテマリーンズから4位指名を受けてプロ野球選手としてのキャリアをスタートさせます。即戦力投手としての期待を背負い、プロ入り初年度となる1994年に早くも一軍のマウンドを経験します。プロ初登板は1994年7月26日、藤井寺球場で行われた対近鉄バファローズ戦でした。六回裏にチーム四番手として救援登板し、二イニングを無失点に抑える好投を見せ、その六回裏には石井浩郎選手からプロ入り後初となる奪三振を記録しています。しかし、プロのレベルの高さに苦しみ、残念ながら一軍での登板はこの年限りにとどまりました。

ロッテには1996年まで在籍しましたが、同年11月に球団から戦力外通告を受けます。日本のプロ野球界での道を断たれた中山氏は、現役続行を目指し渡米。メジャーリーグのシアトル・マリナーズとマイナー契約を結ぶ機会を得ましたが、残念ながら傘下のチームで登板するまでには至りませんでした。その後も野球への情熱は冷めやらず、アメリカ独立リーグへと活躍の場を求めます。ウェスタン・ベースボール・リーグのグレイズハーバー・ガルズや、プレーリー・リーグのサスカトゥーン・スモーキンガンズといったチームでプレーを続け、異国の地で野球人生を歩みました。

プロ野球選手としてのキャリアは短いものに終わりましたが、大学、社会人野球で残した功績、特に都市対抗野球での若獅子賞受賞や全日本選抜での国際経験は、輝かしいものとして記憶されています。

詳細情報

年度別投手成績

NPBでの一軍登板は1994年のみ（詳細は非公開）。

記録

初登板：1994年7月26日、対近鉄バファローズ15回戦（藤井寺球場）、6回裏に4番手で救援登板、2回無失点
初奪三振：同上、6回裏に石井浩郎から

背番号

41 （1994年 - 1996年）

関連項目

埼玉県出身の人物一覧
中央大学の人物一覧
* 千葉ロッテマリーンズの選手一覧

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