中島本線料金所

中島本線料金所（なかじまほんせんりょうきんじょ）は、かつて大阪府大阪市西淀川区の海上部に存在した、阪神高速道路5号湾岸線に設置されていた本線料金所の一つです。この施設は、5号湾岸線を通行する車両のうち、特に天保山方面へ向かう交通を対象として料金を収受する役割を担っていました。しかし、阪神高速道路における料金収受体制の見直しや施設の再配置に伴い、2022年 2月27日をもってその運用を終了し、廃止されました。

廃止の背景

中島本線料金所がその歴史を終えた背景には、阪神高速道路全体の料金収受システムの近代化と効率化があります。特に、5号湾岸線の沿線に位置する新たな出入口、具体的には鳴尾浜出入口や尼崎末広出入口などに新たに料金所が設置されたことが、中島本線料金所の廃止に大きく影響しています。これらの新しい入口料金所の整備・運用開始により、これまで本線上で集約して行っていた料金収受の一部が、各出入口での収受へと移行・分散されることとなり、本線料金所としての機能が不要となりました。これは、ETCの普及なども含めた、高速道路の利用状況や料金体系の変化に対応するための全体的な見直しの一環として実施されました。

施設概要（廃止時点）

運用が終了するまでの間、中島本線料金所は、5号湾岸線を利用して天保山・南港方面へ向かう車両の料金収受を担っていました。料金所には、多数の車両を円滑に処理するための複数の料金収受レーンが設けられており、その総数は7つでした。当時の料金収受システムのトレンドを反映し、電子料金収受システムであるETCに対応したレーンが中心となっていました。内訳としては、ETC専用またはETCと一般のどちらにも対応した兼用のレーンが5つ、そしてETCを利用しない一般車両向けのレーンが2つという構成でした。これらのレーンを通じて、多くの車両が料金を支払い、目的地へ向かっていました。

路線上の位置

阪神高速5号湾岸線における中島本線料金所は、周辺の主要な高速道路施設との間に位置していました。具体的には、神戸方面から東方向へ進む際に通過する湾岸舞洲出入口（ランプ番号5-03）のさらに東側、そして大阪市内方面へ向かう際に利用される中島出入口（ランプ番号5-04, 5-05）の西側に設けられていました。車両は、湾岸舞洲出入口から5号湾岸線の本線に入った後、中島本線料金所を通過して所定の料金を支払い、その後、さらに東へ進んで中島出入口で本線を離れるか、あるいはそのまま本線を直進して次の目的地へ向かうというルートでした。料金所は、これらの出入口を結ぶ本線上に直接設置されていました。

跡地利用

中島本線料金所の運用終了に伴い、施設は撤去されましたが、その広大な敷地の一部は高速道路の利用者向けの新しい施設として有効活用されることになりました。料金所の跡地において整備が進められたのが、阪神高速5号湾岸線の利用者向けの休憩施設である中島パーキングエリアです。この新しいパーキングエリアは、特に泉佐野方面（南方向）へ向かう車両が利用できる施設として計画され、2025年2月26日に供用が開始されました。かつて料金収受が行われていた場所は、高速道路利用者が安全に休憩し、疲労回復を図るためのスペースへと生まれ変わり、新たな役割を果たしています。

関連事項

中島本線料金所は、過去に日本の高速道路ネットワークで一般的な存在であった「本線料金所」という施設の典型例の一つでした。本線料金所は、特定の区間や路線における料金収受を効率的に行うために設けられましたが、近年はETCの普及や料金体系の変更（例えば対距離料金制への移行など）に伴い、その数は減少しつつあります。日本の高速道路におけるインターチェンジや関連施設に関する情報は、「日本のインターチェンジ一覧」といった資料でも確認できます。また、中島本線料金所が位置していた大阪湾岸地域は、阪神高速道路の重要な結節点であり、阪神高速4号湾岸線や阪神高速16号大阪港線など、他の主要な湾岸線や港大橋線とも関連が深く、これらも広範な都市高速ネットワークの一部を構成しています。これらの関連路線や施設についても参照することで、当該地域の交通構造への理解を深めることができます。

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