阪神高速4号湾岸線

阪神高速4号湾岸線（Route 4 Bayshore Line）

阪神高速4号湾岸線は、大阪湾沿いを南北に縦断する重要な高速道路です。大阪市港区にある天保山出入口を起点とし、一路南へ進み、大阪府泉佐野市のりんくうJCTに至る、阪神高速道路が管理する路線の一つです。路線全体の延長は大阪府内に収まっており、神戸方面へ伸びる5号湾岸線と共に、「大阪湾岸道路」の一部を形成しています。

路線区間と特記事項

この路線のうち、天保山出入口から南港JCTまでの区間は、歴史的な背景から16号大阪港線の一部としても扱われています。この重複区間では、泉佐野方面に向かう車線が4号湾岸線、大阪市内方面に向かう車線が16号大阪港線と、進行方向によって路線名が区別されるという特徴があります。

路線の特徴

4号湾岸線は、同じ湾岸道路を構成する5号湾岸線を含む他の阪神高速の多くの路線とは一線を画しています。道路構造令において「第2種第1級」という高規格な基準で設計されており、これは都市高速道路としては例外的な区分です。そのため、車線幅員や路肩幅員が広く確保されており、設計速度および最高速度は80km/hに設定されています。この高い規格により、大阪府道29号大阪臨海線や国道26号の代替路（バイパス）として機能し、特に泉佐野市以南の地域から大阪市内への所要時間を大幅に短縮することに貢献しています。また、大阪市内や神戸方面から、関西国際空港や和歌山県南部の白浜方面へ向かう際の主要なアクセスルートとしての役割も担っています。

法令上の路線名としては、「大阪府道高速湾岸線」の一部であり、これには阪神高速5号湾岸線の大阪府内の区間も含まれています。

主な接続高速道路

4号湾岸線は、以下の主要な高速道路と接続しています。

阪神高速5号湾岸線：天保山JCT/出入口で直接接続。
阪神高速6号大和川線：三宝JCT/出入口で接続。
E71関西空港自動車道：りんくうJCTで接続。
E71関西国際空港連絡橋：りんくうJCTで接続し、関西国際空港への玄関口となります。

主な構造物

沿線には特徴的な長大橋や高架橋が点在します。代表的なものとして以下が挙げられます。

港大橋（980m）：大阪港築港 - 南港間
大阪南港東高架橋（166m）：大阪港南港水路
大和川橋梁（653m）：大和川
新浜寺大橋（254m）：堺泉北港浜寺水路
岸和田大橋（445m）：阪南港岸和田旧港

歴史

4号湾岸線は段階的に建設が進められ、供用区間が順次拡大しました。

1974年（昭和49年）7月15日：港晴 - 南港北間にある港大橋が開通し、供用が始まりました。
1982年（昭和57年）9月1日：南港北から三宝までの区間が開通しました。
1987年（昭和62年）3月4日：三宝から出島までの区間が開通しました。
1989年（平成元年）3月14日：16号大阪港線と接続し、大阪市内中心部の環状線方面への直通が可能となり、利便性が向上しました。
1993年（平成5年）11月4日：出島から泉大津までの区間が開通しました。
1994年（平成6年）4月2日：泉大津から終点のりんくうJCTまでの区間が開通し、これにより4号湾岸線は全線が開通しました。

その後も改良が進んでいます。

2017年（平成29年）1月28日：三宝JCTの供用が開始され、6号大和川線との接続が実現しました。
料金所に関する変遷もあり、2020年（令和2年）3月8日には高石本線料金所が、2021年（令和3年）5月30日には泉大津本線料金所がそれぞれ廃止されました。
廃止された料金所跡地は有効活用されています。2021年（令和3年）3月30日には高石本線料金所跡に高石PAが、2022年（令和4年）4月27日には泉大津本線料金所跡に泉大津大型専用PAが、それぞれ供用を開始しました。
近年では、設備の更新なども行われています。例えば、2024年（令和6年）4月には、大浜から泉大津の間で集中的なリフレッシュ工事が実施され、期間中は上下線ともに終日通行止めとなりました。

その他の情報

道路情報ラジオ：走行中には、南港南、浜寺、岸和田、貝塚の各地点に設置された道路情報ラジオから最新の交通状況を得ることができます。阪神高速の道路情報放送は、局名と時刻を伝える定型句で始まります。
* 所轄警察：本路線の管理は、大阪府警察高速道路交通警察隊が行っており、具体的には阪神四ツ橋分駐所と阪神泉大津分駐所が管轄しています。

この路線は、大阪湾岸地域の物流・人流を支える大動脈として、重要な役割を担い続けています。

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