中島記念

中島記念：佐賀競馬場の年末を彩るファン投票制重賞競走

佐賀県競馬組合が佐賀競馬場で開催する地方競馬の重賞競走「中島記念」は、年末の風物詩として知られています。正式名称は「日刊スポーツ杯 中島記念」で、日刊スポーツ新聞社が優勝杯を提供しています。最大の特徴は、出走馬をファン投票によって決定する点です。この選抜方法と、年末（12月下旬）という開催時期から、「佐賀版・有馬記念」という愛称で親しまれています。

歴史と概要

中島記念の歴史は1978年にまで遡ります。当初は「ファン選抜サラ系特別」という名称で、地元・佐賀所属馬を対象としたファン投票による競走として創設されました。その後、1985年に現在の名称「中島記念」へとリニューアル。この改名は、佐賀競馬の発展に大きく貢献した中島憲義氏の功績を称えるためです。中島氏は、小城郡芦刈町（現・小城市芦刈町）で農政委員を務め、佐賀競馬場の鳥栖市への移転にも深く関わっていました。

創設当初から長らくサラブレッド系B級の条件重賞として施行されてきましたが、2001年からA級馬も出走可能となり、2007年以降はサラ系3歳以上のA級格付け馬に限定されました。距離は創設から2015年までは2000mでしたが、2016年から1800mに変更されています。また、格付け制度の変更に伴い、2018年にはS1から重賞競走に格上げされました。2019年には「創刊70周年記念 日刊スポーツ賞 中島記念」として施行されるなど、その歴史の中で様々な変化を遂げてきました。優勝馬には、翌年の佐賀記念への優先出走権が付与されることも、この競走の大きな魅力となっています。

出走条件と賞金

2023年現在の出走条件は、サラブレッド系3歳以上の佐賀所属馬で、ファン投票による選抜馬に限られます。具体的には、前2走を佐賀競馬場で佐賀所属馬として出走し、1年以内に佐賀競馬場での出走経験のある馬が対象となります。ファン投票で上位9頭が選出され、さらにスポーツ新聞5社の記者推薦による3頭を加えた計12頭が出走資格を得ます。回避馬が出た場合は、補欠馬が繰り上がります。

負担重量は別定です。賞金は、1着800万円、2着280万円、3着160万円、4着120万円、5着80万円、着外16万円と設定されています。副賞として、日刊スポーツ新聞社社長賞、全国公営競馬主催者協議会会長賞、福岡県馬事畜産振興協議会会長賞、佐賀県馬主会会長賞、佐賀競馬友の会バス世話人賞、佐賀県競馬組合管理者賞が贈られます。

歴代優勝馬と今後の展望

中島記念の歴史は長く、多くの名馬が優勝を飾ってきました。その栄光の記録は、地方競馬全国協会のウェブサイトなどで確認できます。毎年、ファン投票によって選出された実力馬たちが集結し、白熱したレースを展開する中島記念。佐賀競馬場を代表する重賞競走として、今後もその人気は衰えることなく、年末の競馬ファンを魅了し続けることでしょう。

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