中川健一

中川健一：信仰と伝道の生涯

中川健一（なかがわけんいち、1947年1月11日生まれ）は、日本の牧師であり、伝道団体ハーベスト・タイム・ミニストリーズの代表を務めています。また、ローザンヌ・ユダヤ人伝道協議会（LCJE）日本支部の元支部長でもあります。

生い立ちと学歴

中川氏は大阪市生野区で生まれ、大阪府立生野高等学校在学中にAFS交換留学生としてアメリカ合衆国カリフォルニア州の高校へ留学しました。1970年に一橋大学法学部を卒業。大学時代は国際部に所属し、経済学者の村瀬哲司氏が先輩にいました。卒業後は帝人に入社し、その後日本マクドナルドの部長代理を経て、1979年にトリニティ神学校を卒業し、牧会学修士（M.Div.）を取得しました。

牧師としての活動

1979年、中川氏は町田クリスチャンセンターを設立し、東京都町田市で伝道活動を開始しました。1980年からはテレビ伝道を始め、1986年にはハーベスト・タイム・ミニストリーズを設立。ローザンヌ・ユダヤ人伝道協議会（LCJE）日本支部支部長も務めました。テレビ放送は2010年3月に終了しましたが、その後も各地で再臨待望聖会を開催し、黒川知文氏らを講師に招いて再臨運動を続けています。また、インターネット配信の重要性に着目し、「ハーベスト・タイム・メッセージステーション」にて聖書解説動画を約1700本公開しています。

クリスチャンとしての信仰

中川氏は、少年時代には父親から「目に見えないものは信じるな」と言われ、神の存在やあの世を信じていませんでした。大学時代には、人生は立身出世のためであり、死んだら終わりだと考え、虚無感に苦しんでいました。しかし、大学の後輩に誘われて教会の集会に参加したことをきっかけに、キリストが人間の罪を贖うために命を捧げたことを知り、世界観と人間観が大きく変化。クリスチャンとなりました。トリニティ神学校時代は経済的に厳しい状況でしたが、アメリカのキリスト教徒からの支援を受け、アメリカのキリスト教徒への親近感と信頼感を深めました。

中川氏は、聖書研究を通じて日本の霊的覚醒を促すことを使命としています。福音派の立場を取り、三位一体説、ディスペンセーション主義、艱難前携挙説を支持しています。一方、自由主義神学、エキュメニズム、繁栄の神学には反対の立場を表明しています。また、奇跡的な現象を見て、その教えを信じてしまうことにも警鐘を鳴らしています。

LGBTQに関する見解

中川氏は、ハーベスト・タイム・ミニストリーズのYouTubeチャンネルで、「同性愛者のクリスチャン」という概念について言及しました。彼は、同性愛的な傾向を罪と認識し、それと闘っているクリスチャンは存在し得るとしながらも、同性愛的傾向を罪とみなさない場合や、同性愛的行為を習慣的に行っている場合は、救われていない可能性があると指摘しています。彼は、神は同性愛を憎むが、同性愛者を愛しており、彼らが束縛から解放されることを願っているという立場を示しました。

また、CGNTV Japanの動画では、聖書解釈の危機、創造の秩序の危機、家庭制度の崩壊という3つの危機感を表明しました。彼は、LGBTQのライフスタイルを批判したり差別したりする意図はないとしながらも、自身のライフスタイルを変えたいと願う少数者（マイノリティーの中のマイノリティー）を支援したいと述べています。そのために設立した団体、NBUS（性の聖書的理解ネットワーク）を通して、「ナッシュビル宣言」への賛同を呼びかけています。

著作活動

中川氏は、多数の著書を執筆しており、聖書解説やキリスト教信仰に関する内容を幅広く扱っています。

著書

『主をほめよ : シリーズ1』（共編著）
『中川健一の聖書の人々 新約編』
『中川健一の聖書の人々 旧約編』
『中川健一のイエスのたとえ話』
『変えられた人生』（編著）
『ユダヤ入門 : その虚像と実像』
『エルサレムの平和のために祈れ : 続ユダヤ入門』
『約束の地 : 聖地旅行メッセージ集』
『日本人に贈る聖書ものがたり』
『〈聖書流〉生き方指南』
『3分でわかる！聖書』
『3分でわかる！聖書 2』

訳書

ルベン・ドロン著『新しいひとりの人 : 聖書的教会像を求めて』
ミリアム・ファインバーグ・ヴァモシュ著『イエス時代の日常生活 : フルカラー』
* スーザン・マルコス著『主の門に入れ : 詩篇100:4 : 信仰のユダヤ的ルーツを目指して』（監修）

まとめ

中川健一牧師は、長年にわたり聖書に基づいた伝道活動を続け、多くの人々に影響を与えてきました。その活動は、テレビ伝道からインターネット配信へと広がり、現代社会における信仰のあり方を問い続けています。

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