中支那振興

中支那振興：華中における日本の国策会社

中支那振興は、1938年に設立され、第二次世界大戦終結の1945年まで、中国の華中地域において占領地の開発を目的として活動した日本の国策会社です。同時期に設立された北支那開発と同様に、日本の大陸政策の一環として設立されました。監督機関は興亜院経済部であり、本社を上海に置き、東京にも支社を構えていました。

株式会社としての特徴

中支那振興株式会社は、現代の持株会社に近い性格を持っていました。自らが直接事業を行うのではなく、傘下に置いた複数の子会社を通じて、華中地域における様々な事業を展開しました。これにより、広範な分野にわたる開発と資源の収奪を効率的に行うことを目指しました。

傘下会社と事業内容

中支那振興の傘下には、多岐にわたる分野の会社が存在し、それぞれの専門性を活かして事業を展開しました。以下に主な傘下会社とその事業内容を示します。

華中鉱業株式会社: 華中地域における鉱物資源の開発と採掘を担当しました。
華中水電株式会社: 水力発電所の建設と運営、電力供給を行いました。
上海内河汽船株式会社: 上海周辺の内河における汽船輸送事業を運営しました。
華中電気電信株式会社: 電気通信インフラの整備と運営を担いました。
上海恒産株式会社: 上海における不動産の管理と開発を行いました。
華中都市自動車株式会社: 都市部における自動車輸送事業を運営しました。
華中水産株式会社: 水産資源の開発と漁業を行いました。
大上海瓦斯株式会社: 上海におけるガス供給事業を担いました。
華中蚕糸株式会社: 蚕糸業の振興と生産を行いました。
華中鉄道株式会社: 華中地域における鉄道の建設と運営を行いました。
淮南炭礦株式会社: 淮南炭鉱における石炭の採掘を行いました。
華中塩業株式会社: 塩の生産と販売を行いました。
中華輪船株式会社: 船舶輸送事業を運営しました。
振興住宅組合: 住宅の建設と供給を行いました。

これらの傘下会社を通じて、中支那振興は華中地域における資源開発、インフラ整備、都市開発など、多岐にわたる事業を展開し、日本の占領政策を経済面から支える役割を果たしました。

終焉と影響

中支那振興は、日本の敗戦とともに1945年に解散しました。しかし、その活動は華中地域における日本の経済的影響力を示す一例として、歴史に刻まれています。また、その事業の一部は、戦後の中国における経済発展の基礎となった側面もあります。

関連項目

* 北支那開発

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