国策会社

国策会社とは

国策会社（こくさくかいしゃ）は、日清戦争後から第二次世界大戦終結までの間に設立された企業群を指します。これらの会社は、日本の国家の発展を促進するための目的があり、政府の強い統制下に位置していました。具体的には、日本発送電株式会社や日本石炭株式会社など、法的根拠に基づいて設立された会社であり、また占領地や植民地の開発機関としての役割を担っていました。さらに、戦後には新技術の振興を目指して設立された会社も国策会社と呼ばれることがあります。

主な特徴と設立背景

国策会社は、特別法に基づき国家による保護や支配を受けた半官半民の特殊な形態の会社です。特に、1931年の満洲事変以降に設立された会社の多くがこの「国策会社」と分類されるようになりました。これらは、南満洲鉄道（満鉄）など、明治時代から存在していたものも含まれますが、満洲事変後の急増が特徴的です。

代表的な国策会社には、南満洲鉄道、東洋拓殖、台湾拓殖、北支那開発などがあります。これらの会社は、国家権力による手厚い保護のもと、特定地域や業種を独占的に掌握していました。日本の私的資本が欧米に対して劣勢であった時期に、補完的な役割を果たしていたのです。

投資と経済的影響

例えば、台湾拓殖株式会社は、終戦時点で40社以上に投資を行い、合計投資額は5億円を超えていました。その大部分は、島内の重化学工業、その時期の主要な軍事産業に集中しており、政府の政策に従った形で投資先を選定したことが伺えます。このように、国策会社は国家の経済政策と強く結びついていたため、必然的に軍事的目的との関連も深まりました。

戦後の変化

1945年、日本は第二次世界大戦で敗戦し、その結果、ポツダム宣言によって全ての海外領土からの撤退を余儀なくされました。この際に、外地にあった特殊会社は解散させられることになり、その多くは閉鎖されました。戦後の日本の経済構造が変化する中で、それまでの国策会社の形態は消滅し、新たな企業の創出が求められました。

主な国策会社一覧

国策会社には、いくつかの著名な会社が含まれます。例えば、

• - 東亜燃料工業（現ENEOS）
• - 帝国水産統制（現ニチレイ）
• - 日本証券取引所（現平和不動産）
• - 国策パルプ工業（現日本製紙）
• - 帝国船舶（1946年解散）
• - 国際汽船（1943年、大阪商船に吸収）
• - 日本国土開発

など多数存在しました。これらの会社は、戦後の日本経済の再建において重要な役割を果たしたものです。

関連項目

国策会社についてさらに理解を深めるために、以下の関連項目も参考にしてください。

• - 特殊銀行
• - 統制会社
• - 国策パルプ
• - 勅許会社
• - 国策公社

国策会社の存在は、日本の経済発展の歴史において重要な位置を占めており、その経緯や影響について知識を深めることは、現代の経済情勢を理解する上でも有意義なことでしょう。

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