中支那方面軍

中支那方面軍

中支那方面軍（なかシナほうめんぐん）は、大日本帝国陸軍が1937年に設立した方面軍の一つです。主に華中地域で活動し、戦局の変化や戦争の進展に伴って、その役割や組織が変化しました。この軍は、特に南京攻略戦を果たしたことで知られています。

沿革

1937年（昭和12年）7月、盧溝橋事件が発生し、日本と中国の間で緊張が高まりました。これを受けて、同年8月からは第二次上海事変が開始。大日本帝国陸軍は上海派遣軍や第10軍を派遣し、現地の在留邦人の保護を目指しましたが、戦闘は予想以上にエスカレートしました。この状況下、参謀本部は戦線の拡大を控える方針を取っていましたが、戦闘は続き、戦域は次第に内陸部まで広がっていきました。

こうした流れを受けて、1937年11月7日、中支那方面軍が編成されました。この新しい軍の司令官には、上海派遣軍司令官であった松井石根大将が任命されました。当初は、作戦地域として蘇州と嘉興を結ぶ線から東側を限定していましたが、11月19日には松井が独自の判断でその制限を越え、無錫や湖州への攻撃を計画しました。その結果、11月24日には作戦制限が解除され、12月1日には大本営から南京攻略が指示されました。

南京への攻撃は、12月4日から13日にかけて実施され、多くの犠牲者を出しながらも成功を収めました。この南京攻略戦は後に多くの議論を呼び起こし、歴史的にも重要な出来事となりました。

1938年（昭和13年）2月14日、中支那方面軍は再編成され、その役割は中支那派遣軍へと引き継がれました。それに伴い、中支那方面軍は正式に廃止され、北支那方面軍に属していた第114師団を除く全ての隷下師団の指揮を中支那派遣軍が引き継ぎました。その後も、華中地域での戦闘は続行され、戦局は一層厳しさを増していきました。

軍概要

• - 通称号：無し
• - 編成時期：1937年（昭和12年）11月7日
• - 廃止時期：1938年（昭和13年）2月14日
• - 廃止時の上級部隊：大本営直轄
• - 最終位置：南京

司令官

• - 松井石根 大将：1937年（昭和12年）10月30日 - 1938年（昭和13年）2月14日

参謀長

• - 塚田攻 少将：1937年（昭和12年）11月2日 - 1938年（昭和13年）2月14日

その他の役職

• - 参謀副長

- 武藤章 大佐：1937年（昭和12年）11月2日 - 1938年（昭和13年）2月14日

廃止時の隷下部隊

• - 上海派遣軍
• - 第3師団
• - 第9師団
• - 第13師団
• - 第101師団
• - 藤重支隊（台湾守備隊）
• - 野戦重砲兵第5旅団
• - 第10軍
• - 第6師団
• - 第18師団
• - 野戦重砲兵第6旅団

脚注

この方面軍の活動は、戦争における複雑な国際関係や軍事戦略の一部を映し出しており、その影響は今日の歴史認識にも関わっています。また、関連項目として南京事件やそれにまつわる議論が存在しており、この軍の過去から学べることも多いと言えるでしょう。

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