中本浩

中本 浩

1966年8月22日生まれ。日本の元アマチュア野球選手（外野手）であり、指導者として活動している。現役時代は広角に打ち分ける巧みな打撃技術を持つ中距離打者として知られていた。

選手としての歩み

野球を始めたのは中学時代、大阪東ジャガーズに所属し、チームは全国優勝を飾った。当時の監督である山本泰氏（後にPL学園監督を務める）の誘いを受け、大産大高校へ進学。高校では投手を兼任し、3年夏の大阪府大会ではエースとしてチームを決勝まで導いた。しかし、決勝で当時は2年生ながら「KKコンビ」として注目されていた桑田真澄、清原和博らを擁するPL学園高校と対戦し、0対4で敗れ、甲子園出場は叶わなかった。

高校卒業後は亜細亜大学に進み、ここでも4年時まで投手としてプレーを続けた。大学時代のチームには、後に亜細亜大学監督となる主将の生田勉氏や、PL学園出身で後に東農大監督となる北口正光氏が同期にいた。さらに、2年上にはプロでも活躍した阿波野秀幸氏、佐藤和弘氏がおり、1年上には中日ドラゴンズで監督を務めた与田剛氏、2年下には小池秀郎氏、そしてヤクルトスワローズで監督となった高津臣吾氏といった、多くの著名な選手が名を連ねていた環境で研鑽を積んだ。

1989年に社会人野球の強豪、松下電器に入社すると、外野手に専念することを決意。その才能が開花し、同年の都市対抗野球大会では若獅子賞を受賞。さらに、主に指名打者として社会人ベストナインにも選出される活躍を見せた。1990年にはIBAFワールドカップの日本代表に選ばれ、右翼手として出場。チーム内で佐藤真一氏に次ぐ2位の打率を記録するなど、国際舞台でもその打棒を発揮した。この年も前年に引き続き社会人ベストナインを受賞し、アマチュア球界屈指の外野手としての地位を確立した。

1992年には、野球が公開競技として実施されたバルセロナオリンピックの日本代表メンバーに選出された。予選ラウンドの対キューバ戦、イタリア戦では右翼手として、台湾戦では指名打者として先発出場した。途中出場を含め4試合11打席に立ったが、ヒットを放つことはできず、代表野手の中では唯一のノーヒットに終わった。しかし、4つの四死球を選んでおり、出塁率は決して低いものではなかった。その後もチームの主力として活躍を続け、1994年の日本選手権では打率.636という驚異的な数字を記録し、首位打者賞を獲得している。

指導者・運営者として

現役を退いた後は、パナソニック野球部で野球部長を務めるなど、チームの運営に携わった。また、少年野球の指導にも情熱を注ぎ、ボーイズリーグの生駒ボーイズではコーチとして、後にプロ野球選手となる元山飛優氏らを指導した経験を持つ。

再びパナソニック野球部の要職に就き、2021年に副部長に就任。翌2022年からはゼネラルマネージャー（GM）としてチーム全体の編成や運営を統括する立場となった。さらに2023年からは総監督も兼務し、チーム強化の責任者として手腕を発揮。そして、2025年1月1日付で、パナソニック野球部の監督に就任することが決定しており、かつて選手として輝きを放ったチームを率いることとなる。

大阪府出身。亜細亜大学卒業。オリンピック競技のメダリスト一覧や、それぞれの出身人物リストにおいて、中本浩氏のキャリアは特筆されるべきものである。

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