中村まちバス

中村まちバスについて

高知県四万十市にて運行されている「中村まちバス」は、デマンドバスの仕組みを採用した公共交通機関です。このバスシステムは、日本で初めて高度道路交通システム（ITS）を導入した例として知られ、他の地域でのデマンドバス導入にも影響を与えたとされています。運行は地元の鈴ハイヤーに委託されており、地域住民の利便性向上に貢献しています。

概要

中村まちバスは、10人乗りのワゴン車を使用し、四万十市の中村地区を中心に、周辺の具同地区や自由ヶ丘地区、安並地区、古津賀地区などを運行します。予約時間は午前8時から午後6時までで、運行は午前8時半から11時、午後0時から6時の間に行われ、利用者は事前に乗車時刻と乗車バス停を指定することが求められます。当日予約のみ可能で、運賃は大人200円、小人100円です。交通系ICカード「ですか」を使用できる点も便利です。

2017年度のデータによると、利用者数は9595人に上りました。また、2020年10月からは運行委託先が高知西南交通から鈴ハイヤーに変更されています。

歴史

中村市内の高知西南交通が運行していた路線は、モータリゼーションの進展に伴い、所要時間が長くなり利用者が減少。1999年度には1日あたりの利用者数が約7人という状況でした。それにも関わらず、国や県、市からの補助金が支出され、利用促進に努めながら、1998年にはITSの実証実験対象地に高知県が選定されることが決定しました。

その後、様々な企業によるコンソーシアムが組織され、「こうち2001プラン KoCoRo'99」として情報化プロジェクトが立ち上がりました。その一環としてデマンドバスのシステム開発が進み、2000年4月から6月の間、運行実験が行われました。この時、車両の位置情報をリアルタイムに表示し、予約を即座に反映するシステムが導入されました。

その後、2000年7月から本格運行が始まり、利用者数も徐々に増加。導入最初の2年間は平均利用者数が約42人に達しましたが、運行の便が少なく運営コストが高騰したため、運行時間を短縮したり、運転手数を減らしたりする必要が生じました。それでも、一般路線バスとの調整を図りつつ、安定した利用者数を維持しています。

2011年度からは予約情報の入力がシステムに代わり、2012年度以降は混雑予測に基づいた予約システムが運用されています。また、住民のニーズに応じて2012年5月には車両が10人乗りのワゴン車に変更され、利便性が向上しました。特にバス停の数は、デマンドバス導入後に28か所から57か所に増加し、最終的には82か所に達しました。

主な停留所

中村まちバスの主な停留所には、以下の地点があります：

• - 中村駅
• - 中村地方合同庁舎
• - 四万十市役所前
• - 市民病院前
• - 安並運動公園
• - 具同地区のトンボ公園など。

このように、中村まちバスは地域の交通インフラとして重要な役割を果たし、今後も多くの利用者に支持されていくことでしょう。

もう一度検索