中村元東方研究所

公益財団法人中村元東方研究所

公益財団法人中村元東方研究所は、東京都千代田区外神田に位置し、東洋学に焦点を当てた研究を行う機関です。この研究所は、インド学や仏教学という分野に特に力を入れています。1970年、東京大学名誉教授であり、日本学士院の会員で文化勲章受章者でもある中村元によって設立されました。

沿革

当初は「財団法人東方研究会」としてスタートし、2012年には公益財団法人中村元東方研究所に名称を変更しました。この組織は、創立以来、東洋思想の発展に寄与することを目的とし続けています。

研究活動と教育プログラム

中村元東方研究所の特徴的な活動の一つは、東方学院を通じた教育プログラムです。この学院では、学歴や年齢、国籍に関係なく、多くの人々に東洋学の成果を教授しています。受講生は多岐にわたり、様々なバックグラウンドを持つ人々が集まり、共に学ぶ場を提供しています。

また、顕彰事業を通じて、毎年、東洋思想や文化研究において顕著な業績を上げている研究者に「中村元東方学術賞」を贈呈しています。この賞は、駐日インド大使館との共催で行われ、2022年には第32回目の授賞式が開催されました。

さらに、「鎌倉夏期宗教講座」や「神儒仏合同講演会」といったイベントを通じても研究者や一般の人々へ東洋思想の深い理解を促進しています。これらの講座や講演会は、宗教や哲学の専門家が集まり、東洋学に関する幅広いテーマを論じる場となっています。

研究助成と発表の機会

中村元東方研究所は、アジア諸国の海外研究調査を支援する「アジア諸国海外研究調査助成」や、留学生の派遣を行う「文化交流基金」など、さまざまな研究助成を行っています。このような支援を通じて、海外との学術交流を促進し、東洋学の発展に寄与しています。

また、中村元記念館は中村元の故郷にある松江市八束町に2012年に開館しました。ここでは、中村元の業績を広く知ってもらうための展示やイベントが行われています。記念館の理事長を務める清水谷善圭は、文化と学問の架け橋として多くの人々に影響を与えています。

学術大会の開催

研究所では、日本の有名な学術大会を定期的に開催しており、これまでに「日本印度学仏教学会第64回学術大会」や「比較思想学会第41回学術大会」、さらには「日本仏教教育学会平成27年度学術大会」が行われてきました。これらの大会では、専門家たちが最新の研究成果を発表し、討論する場として機能しています。

主な所属研究者

中村元東方研究所には、上村勝彦や菅野博史、田中公明など多様なバックグラウンドを持つ研究者が在籍しています。彼らは各々の専門性を生かしながら、東洋学の研究を進めています。

公益財団法人中村元東方研究所は、今後も東洋学の更なる発展に寄与し続けることでしょう。

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