中村妃智

中村妃智（なかむら きさと）は、1993年1月7日に千葉県浦安市で生まれた日本の元女子トラック自転車競技選手です。

彼女の競技キャリアは、千葉経済大学付属高校を経て進学した日本体育大学体育学部で本格化しました。大学4年次には、アジア自転車競技選手権大会のポイントレースで優勝という輝かしい成績を収め、さらに世界最高峰のシリーズ戦であるワールドカップにも日本代表として初めて出場するなど、学生時代からその才能を開花させ、国際舞台での経験を積みました。

卒業後は、JPF（日本競輪選手会）に所属し、プロフェッショナル選手として活動を続けました。そして、競技者としての最大の目標の一つであったオリンピック出場を果たします。2020年に開催された東京オリンピックでは、梶原悠未選手とペアを組み、女子マディソン種目に挑戦しました。世界の強豪が集まるレースにおいて、残念ながら途中で2周の周回遅れとなり途中棄権という結果に終わりましたが、日本代表として大舞台に立ったことは彼女のキャリアにおける重要な一歩となりました。

競技生活は、2021年12月をもって区切りを迎え、現役を引退することを表明しました。

選手としての主な実績は以下の通りです。

2014年：アジア自転車競技選手権大会 ポイントレース 1位
2014年：ジャパントラックカップ1 ポイントレース 3位
2015年：ジャパントラックカップ ポイントレース 3位
2015年：アジア自転車競技選手権大会 チームパシュート 3位（加瀬加奈子、塚越さくら、上野みなみとともに）
2016年：アジア自転車競技選手権大会 チームパシュート 2位（梶原悠未、塚越さくら、上野みなみとともに）
2017年：全日本トラック選手権 ポイントレース 3位

競技から退いた後も、中村妃智は自転車競技、特にケイリンを基盤とするトラック競技の世界との関わりを持ち続けています。現役時代にはJPF所属選手として、千葉競輪場で勤務していた経験があり、その経験が引退後の活動に繋がっています。

旧競輪場の閉場を経て、新たな自転車エンターテイメントとして立ち上げられた「PIST6」の創設準備段階から、その業務に深く携わりました。そして、PIST6の開幕以降は、自転車競技の魅力を伝える立場として活躍しています。特に、競輪のライブエンターテイメントサービスであるTIPSTARのPIST6解説番組では、レギュラー解説者として出演しており、自身の経験に基づいた専門的な視点からレース展開や選手の戦略などを分かりやすく視聴者に伝えています。

選手として、そして自転車界を支える側として、中村妃智は多岐にわたる形で日本の自転車競技の発展に貢献しています。

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