鐘捲流

鐘捲流について

鐘捲流（かねまきりゅう）、またの名を外他流は、武道の一流派であり、その創始者である鐘捲自斎が中条流を学んだ後に独自の流派を立ち上げたことから始まります。鐘捲流は主に剣術を中心に構成されており、小太刀や寝技、立技といった多様な技術も伝えられてきました。

歴史的背景

鐘捲流は、元亀・天正年間に、山形県出身の中村某によって道統が受け継がれています。中村家は適応力があり、慶長年間に仙台藩の初代藩主伊達政宗に招かれ、米沢から仙台に移住しました。以来、中村家は剣術の指南役として藩主の護衛を務め、幕末まで続く重要な役割を果たしました。

しかし、明治維新以降の風潮も影響し、伝承が難しくなっていきました。1945年には、九代目の中村圭吾が鐘捲流の道統を星島弘道に託し、満州へ出征して戦死しました。

残念ながら、鐘捲流で伝承されていた技術には、組太刀や寝技、小太刀が含まれていましたが、戦争や火災などの影響で多くが失われています。特に、組太刀は一刀流に吸収されてしまい、寝技と小太刀は完全に失伝しました。今日では、十五本の立技の抜刀術のみが現在に残されています。さらに、鐘捲流の重要な伝書も、その菩提寺での火災によって焼失してしまいました。

系譜

鐘捲流の系譜には、第一代の流祖である鐘捲自斎から始まり、二代目は中村某（出羽国米沢出身）です。その後の三代から六代については歴史的記録が不明ですが、七代は中村荘之助、八代は中村祥三、九代は中村虎造、そして十代は中村圭吾と続きます。十一代は星島弘道が受け継ぎ、十二代には楢原正士が就任しました。

鐘捲流の技術と特徴

鐘捲流は、剣術を基本にしながらも多彩な技術を教えることがポイントです。組太刀（相対で行う型）や立技、また寝技に至るまで多様な体系を持っていますが、現在は立技の抜刀術が主軸となっています。これらの技術は、実戦を想定したものであるため、非常に洗練されています。

このように、鐘捲流はその歴史や技術の伝承において多くの困難を乗り越えながらも、独自の流派として存在し続けています。現代においても、その精神や技術は様々な形で受け継がれ、多くの武道家たちに影響を与えています。

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