中松義郎

中松義郎（ドクター・中松）とは

中松義郎（なかまつよしろう）、通称ドクター・中松は、1928年 6月26日生まれの日本の発明家、実業家、政治活動家です。「ドクター・中松創研」代表取締役を務める傍ら、日本文化振興会の副総裁、「国際発明協会」および「世界天才会議」の主宰者としても活動しています。東京都知事選挙への繰り返し出馬や、テレビ番組でのパフォーマンスによって、その名前は広く知られています。

生い立ちと学歴

東京都渋谷区出身。中松家は直参の旗本という家柄で、父は横浜正金銀行の行員、母は東京女子高等師範学校卒業の教師でした。麹町小学校から青山師範学校附属小学校、麻布中学校、海軍機関学校、成城高等学校を経て、1953年に東京大学工学部を卒業。その後、トーク番組では東大法学部に学士入学したと主張していますが、その真偽は定かではありません。大学卒業後は三井物産に入社し、1959年にイ・アイ・イに移り、専務、副社長を歴任しました。

1971年には、同社社長との対立から独立し、自らの研究開発拠点としてナコー（現在のドクター・中松創研）を設立しました。

私生活

1966年に妻・滋里と結婚し、2男1女をもうけています。座右の銘は「撰難楽」（せんなんらく）で、困難な道を選ぶことを意味しています。趣味はカメラ、ピアノ、ダンスと多才です。特に母親の芳野を尊敬しており、都知事選への出馬を勧めたのも母親だったと語っています。野球好きでも知られ、日本人として初めてメジャーリーグの始球式を務めました。「君が代」をコンピュータでアレンジしたCDを発売したこともあります。

健康問題と克服

2013年、前立腺導管がんと診断され、2015年には余命宣告を受けましたが、6年に及ぶ治療を経て寛解に至りました。

人物像

努力と粘り強さをモットーとしています。海軍機関学校の入学試験では、身体測定で不合格になりかけましたが、将校に自身の努力を訴え、再測定で合格したというエピソードがあります。

政治活動

1990年頃から政治活動を始め、1991年の東京都知事選に初出馬。以降、数々の選挙に立候補しましたが、いずれも落選に終わっています。選挙では、自作のジャンピングシューズを履くなどのパフォーマンスを行いました。2011年の都知事選では、当選しない場合は10回以上選挙に挑戦し続けると宣言し、80歳を超えても筋トレで体を鍛えているとアピールしました。

政策

外国人参政権に反対の立場を取っています。選択的夫婦別姓制度については、かつては賛成していましたが、後に反対に転じました。また、幸福実現党に一時在籍し、選挙にも出馬しましたが、現在は無所属で活動しています。

発明品

中松は数多くの発明を手がけてきました。その一部を紹介します。

灯油ポンプ: 中学生時代に考案した手動ポンプが原型と主張しています。
頭に良い食品: 「頭が良くなる」と称する食品を開発していますが、特許は取得できていません。
原子力除雪装置: 原子炉の熱で雪を溶かす装置ですが、放射性物質の処理問題で拒絶されています。
ハイドロジェン・オン・デマンド (HOD): 燃料電池用の水素精製技術ですが、特許は確認されていません。
フライングシューズ（ピョンピョンシューズ）: 板バネの靴でジャンプできるという、彼の代名詞的な発明です。
ラブジェット: 性感度を高める香水。
ドクター・中松パター: 独自の形状のゴルフクラブ。
スマ手 (Smarte): スマートフォンを固定できるグローブ。
ウデンワ: 携帯電話を固定するベルト。
フロッピーディスク: 自身の発明と主張していますが、IBMが独自に開発したとされています。
* ドクター・中松エンジン: 永久機関と主張する原動機ですが、科学的な根拠は乏しいです。

リボディ理論

一日一食主義や、特定の食品の摂取を推奨する健康法です。自身が前立腺がんを患った際には、この理論に基づいた食事療法でがんを克服したと述べています。

商標登録

数多くの商標登録出願を行っていますが、却下や取り消し処分を受けることも多いです。「日本維新の会」などの名称も登録を試みましたが、却下されています。

発明件数

3,000件以上の発明をしたと主張していますが、特許取得数は約600件です。ギネス世界記録を持つ発明家も存在します。

評価

ニューズウィーク誌で、講演料が高い人物として紹介されたことがあります。また、日本のインターネット調査では、「この人のおかげで今がある」とされる発明家ランキングで上位にランクインしています。

イグノーベル賞

自身の食事を35年間記録し続けたことが評価され、2005年にイグノーベル賞（栄養学賞）を受賞しました。授賞式では基調講演も行っています。

その他の肩書き

数多くの団体の役職を兼任しています。全米がん撲滅協会の会長にも就任しましたが、後に自身もがんを患いました。

受賞歴

イグノーベル賞以外にも、数々の賞を受賞したと主張しています。

主な著作

数多くの書籍を出版しており、創造性や健康法に関するものが多いです。

メディア出演

映画やテレビ番組に出演し、そのユニークなキャラクターを披露しています。

まとめ

ドクター・中松は、その奇抜な発明と独特なキャラクターで知られる、日本の発明家であり、実業家、政治活動家です。彼の数々の活動は賛否両論ありますが、その存在は日本の社会に大きな影響を与えていると言えるでしょう。

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