中津川 (信濃川水系)

中津川について

中津川は、群馬県、長野県、新潟県を流れ、信濃川水系に属する一級河川です。その流域は、秘境として名高い秋山郷を含み、豊かな自然と歴史が織りなす風景が広がります。

地理

中津川の源流は、群馬県吾妻郡中之条町の北部、野反湖周辺の山々にあります。山々から流れ出る渓流は野反湖に注ぎ込み、湖の北端にある野反ダムから流れ出し、北へと進みます。この地点では千沢とも呼ばれます。その後、魚野川（魚沼市を流れる魚野川とは異なります）と合流し、切明温泉で雑魚川を合わせます。秋山郷の集落や中津川渓谷を流れ、新潟県津南町大字下船渡で信濃川に合流します。

歴史

中津川は、水力発電の歴史とも深く結びついています。大正時代には、信越電力によって中津川第一、第二、第三発電所が建設され、総出力約6万キロワットの一大電源地帯となりました。戦後、東京電力が事業を継承し、発電所の再開発に着手。中津川第一、第二発電所は出力が増強され、最下流の中津川第三発電所は廃止、代わりに下船渡発電所が新設されました。

発電所建設の際には、トンネル工事現場での落盤事故で12名もの犠牲者を出すなど、困難を極めました。また、上流には渋沢ダムと切明発電所が新設され、水源には野反ダムによって野反湖という巨大な人造湖が誕生しました。現在、中津川水系の水力発電所の総出力は17万キロワットに達し、2009年には栃川発電所（1,000キロワット）も新たに完成しています。

河川施設

中津川には、以下の主要な河川施設があります。

野反ダム
渋沢ダム
穴藤ダム
高野山ダム（河道外）

これらの施設は、治水や発電に重要な役割を果たしています。

流域の自治体

中津川の流域には、以下の自治体が含まれます。

群馬県：吾妻郡中之条町
長野県：下水内郡栄村、下高井郡山ノ内町
新潟県：中魚沼郡津南町

並行する交通

中津川には、以下の道路が並行しています。

国道405号：ただし、冬季は豪雪により通行止めとなります。切明温泉から野反池までは人家も道路もないため、秋山郷へは新潟県側から、野反湖へは群馬県側からのアクセスが一般的です。

橋梁

下流から上流にかけて、中津川には以下の橋梁が架かっています。

（信濃川）
中津川大橋
石坂橋
穴藤橋
（穴藤ダム）
前倉橋
切明橋
（渋沢ダム）
（野反ダム）

脚注

中津川は、地域の人々の生活を支え、豊かな自然を育む重要な河川です。その歴史と自然を大切にすることが、未来へと繋がる道となるでしょう。

関連項目

秋山郷
信濃川朝鮮人虐殺事件

参考文献

市川健夫『平家の谷－秘境秋山郷－改訂16版』令文社、1982年。
「角川日本地名大辞典」編纂委員会編著『角川日本地名大辞典 15 新潟県』角川書店、1989年。
東京電力編『関東の電気事業と東京電力 電気事業の創始から東京電力50年への軌跡』東京電力、2002年。

外部リンク

信濃川上流圏域河川整備計画 - 新潟県土木部 河川管理課
信濃川水系北信圏域河川整備計画 - 長野県

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