中矢一義

中矢一義

中矢一義（なかや かずよし、1940年 - ）は、日本の著名な文化学者、音楽評論家であり、慶應義塾大学の名誉教授を務めています。彼の専門は、18世紀の英国芸能史であり、この分野における深い知識と研究で知られています。

来歴

中矢一義は、新潟県新潟市で生まれ育ちました。新潟県立新潟高等学校を経て、1962年に東京外国語大学英米科を卒業。その後、東京都立大学（1949-2011）の人文科学研究科博士課程に進みましたが、1968年に中退しました。博士課程を中退後、同大学の英文研究室助手として研究活動に携わりました。

1969年、中矢氏は國學院大學の専任講師として教鞭を執り始め、1973年には慶應義塾大学法学部の専任講師に転任しました。慶應義塾大学では、1979年に助教授、1986年に教授へと昇進し、長年にわたり教鞭を執りました。2005年に定年退職し、慶應義塾大学名誉教授の称号を授与されました。

中矢氏は、教育者としての活動に加えて、文化施設の運営にも貢献しました。1996年から2002年まで、長岡リリックホールの館長を務め、国際音楽フェスティヴァルやオペラなど、数多くの総合プロデュースを手がけました。彼の企画力と実行力は、多くの観客に感動を与え、文化振興に大きく貢献しました。

また、中矢氏は音楽評論家としても高く評価されており、様々な雑誌に数多くの音楽評を寄稿しました。彼の評論は、音楽に対する深い理解と愛情に満ちており、読者に新たな発見と感動をもたらしました。

著書・監修・翻訳

中矢氏は、研究者、教育者、文化プロデューサーとして多岐にわたる活動を展開する中で、数多くの著書、監修、翻訳を手がけました。以下にその一部を紹介します。

監修

『公共ホールの政策評価 「指定管理者制度」時代に向けて』慶應義塾大学出版会 2005

翻訳

オードリー・ウィリアムスン『ワーグナーの世界』東京創元社 1976
『ドナルド・キーンの音盤風刺花伝』音楽之友社 1977
ジョン・ソールズベリー『熱い国からの侵入者』集英社 1979
ドナルド・キーン『音楽の出会いとよろこび 続音盤風刺花伝』音楽之友社 1980 のち中公文庫
ドナルド・キーン『日本細見』中央公論社 1980 のち文庫
ドナルド・キーン『ついさきの歌声は』中央公論社 1981
ドナルド・キーン『わたしの好きなレコード』1987 中公文庫
スタンリー・セイディ編『新グローヴオペラ事典』土田英三郎と日本語版監修 白水社 2006
マーリ・マイヤスコウ『イタリア・オペラを支える陰の主役ウバルド・ガルディーニ』藤田茂、向井大策共訳 開成出版 2007
* ドナルド・キーン『ドナルド・キーンのオペラへようこそ！』文藝春秋 2019

これらの著作や翻訳は、中矢氏の幅広い知識と深い洞察力を示すものであり、学術界や文化界に大きな影響を与えました。

まとめ

中矢一義は、18世紀英国芸能史の研究者として、また音楽評論家、文化プロデューサーとして、多岐にわたる分野で顕著な功績を残しました。彼の教育者としての情熱、文化振興への貢献、そして深い知識と洞察力は、多くの人々に感銘を与え続けています。

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