中臣意美麻呂

中臣意美麻呂の生涯

中臣意美麻呂（なかとみ の おみまろ）は、飛鳥時代から奈良時代にかけて重要な役割を果たした公卿です。彼は中臣国子の孫で、名前は曹万呂や曹麻呂とも表記されます。彼の家系は中臣朝臣を名乗り、後に藤原朝臣に改姓しましたが、最終的には中臣朝臣に戻されました。彼の官位は正四位上・中納言という高い地位にありました。

経歴と活動

意美麻呂は藤原鎌足の娘を妻に娶り、実質的には藤原家の系譜を引く存在として位置づけられています。これは、妻である藤原斗売娘との結びつきが、藤原不比等の成長を見守るための重要な役割を果たすこととなりました。

686年に大舎人の官職に就いた意美麻呂は、その後大津皇子に巻き込まれ、反乱に加担したとして逮捕されました。しかし、その後罰を受けることなく赦され、自らの地位を保持しました。689年には藤原不比等らと共に判事に任じられ、律令整備に携わったとされています。693年には直広肆に叙せられ、次第に官職での地位を強化していきました。

文武天皇の時代において、意美麻呂の運命は変わりました。698年には藤原朝臣の姓を不比等だけに継承させる詔勅が発せられ、意美麻呂は中臣氏の祭祀役に復帰する形となりました。699年には鋳銭司が新たに設置され、彼がその長官に任命されたことは、彼の地位の重要性を示しています。

701年には大宝令の施行に伴い、彼は正五位下に叙せられ、その後も急速に昇進しました。705年には従四位上・左大弁にまで達し、708年には公卿に列し、正四位下・中納言兼神祇伯に任命されました。しかし、711年には亡くなることとなり、その最終的な官位は中納言正四位上兼神祇伯でした。

家族と系譜

中臣意美麻呂は様々な妻を持ち、多くの子をもうけたことで知られています。彼の息子たちは中臣氏において重要な役割を果たしました。特に大中臣清麻呂は702年から788年にかけて活躍しました。意美麻呂の家族構成は次の通りです。

• - 父: 中臣国足
• - 母: 不詳
• - 妻: 藤原斗売娘（藤原鎌足の娘）
• - 男子: 中臣東人、中臣安比等、中臣広見、中臣長人、中臣豊人、中臣豊足、など

そのほか、紀奈賀岐娘や異妹東子、多治比阿岐良を妻としており、彼の家族は中臣氏の歴史においても大きな影響力を持つこととなりました。

最後に

意美麻呂はその業績から、歴史的な重要性を持つ公卿であり、彼の活動は古代日本の政治と文化の形成に大きく寄与しました。彼に関する伝説や話には、意美麻呂が登場する神官の話もあり、彼の名は当時の人々にとって特別な存在であったことが伺えます。

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