中華民国の国旗

中華民国の国旗について

中華民国の国旗は、「青天白日満地紅旗」という名でも知られています。これは青色の地に白い太陽が中央にあり、その周囲を赤色の旗が囲んでいるデザインです。この意匠は、国父の孫文が提唱した三民主義を表現しており、自由、平等、博愛の理念が込められています。この国旗は、1912年の建国時に採用された五色旗に代わり、1928年に正式な国旗として定められました。1947年には摂政憲法第6条によって明文化され、現在でも使用されています。

意匠の意味

国旗の意匠は、それぞれ青・白・赤の3色が象徴的な意味を持っています。青は「明るくまっすぐで気高い中華民族の性格と志」、白は「正直・公正・潔白」、赤は「革命で流された鮮血」を象徴しています。また、中央の白い太陽には12の光線があり、これは十二時辰や十二支を表すことで永遠の存在を示し、国民の進取の精神を象徴しています。1949年の国慶日には、中国国民党の総裁であった蔣介石が、国旗が立つ限りそれが自由と独立のシンボルであると述べました。

国旗の規定と使用方法

中華民国の国旗には「中華民国国徽国旗法」により、旗の規格が定められています。国旗は白い旗竿に掲げられ、先端には金色の冠頭が付けられます。掲揚する際は、全員が起立して国歌を斉唱し、敬礼を行う必要があります。また、正式な場では国旗が掲揚・降下される際に、全員が注目しなければなりません。

屋外では、国旗は日の出から日没までの間に掲げられ、雨天時は特例を除いて降ろす必要があります。屋内では、政府機関や学校の講堂や議会室の正面中央に国旗を掲揚します。また、海上での国旗は、船舶の入港・出港時にも掲揚され、外国の船舶が中華民国国旗を掲げる行為には制限があります。

半旗掲揚の規定

死亡した現職の総統や副総統に対しては、国旗を半旗で掲揚することが義務付けられています。また、国家に特別な功労があった人や、災害で多数の死傷者が出た際にも、半旗掲揚が行われます。半旗の場合、国旗はまずポールの一番上まで揚げた後、半分の高さまで降ろすという手順を踏みます。

歴史的背景

青天白日旗は1893年に陸皓東によりデザインされ、その後孫文によって推奨されるようになりました。1911年に発生した辛亥革命と共に、1912年には中華民国が樹立され、国旗の選定が行われました。当初は五色旗が採用されましたが、孫文は青天白日旗を採用し、色の追加を提案したことで、青天白日満地紅旗が国旗として定着しました。

両岸分断以降の使用状況

1949年の国共内戦の結果、中華民国は台湾に移転し、国旗も国際的には使われる機会が減少しましたが、台湾では依然として重要なシンボルとして掲揚されています。中国大陸では、青天白日満地紅旗は歴史的なものであり、現在は主に博物館や特別な場面でのみ見られます。香港やマカオでは国民党支持者による掲揚が行われることもありますが、法的にはさまざまな制限が存在します。

結論

中華民国の国旗は、未だに台湾を象徴する重要なシンボルであり、歴史や文化に深く根付いています。それぞれの色や意匠には、国の理念や精神が込められており、掲揚される場面や際にはその価値が再認識され続けています。

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