中葡和好通商条約

中葡和好通商条約（ちゅうポわこうつうしょうじょうやく）

中葡和好通商条約、または中葡北京条約、葡清条約は、1887年に中国の清朝政府とポルトガル王国との間で締結された条約です。この条約は、清朝にとって不平等条約であり、ポルトガルに有利な内容を含んでいました。

条約の概要

この条約は、1887年に締結された不平等条約であり、その原本は中華民国外交部が保管していましたが、現在は国立故宮博物院に収蔵されています。

条約の主な内容は、清朝がポルトガルによるマカオの永久統治を認めるというものでした。これにより、ポルトガルはマカオを第三国に譲渡しないことを約束しましたが、条約ではポルトガルが占有するマカオの範囲が明確に定められていませんでした。この曖昧さは、後に両国間の紛争の種となる可能性を秘めていました。

具体的には、清朝は書面においてポルトガルのマカオ永久統治を認めましたが、条約自体にはマカオの具体的な範囲に関する規定がありませんでした。そのため、ポルトガルはマカオの範囲を拡大解釈する余地があり、これが後々まで影響を与えることになりました。

条約の背景

19世紀後半、清朝は欧米列強の侵略にさらされており、国力が衰退していました。ポルトガルもその一つであり、清朝はポルトガルの要求を受け入れる形で条約を締結することになりました。この時期の清朝は、欧米列強との間で数多くの不平等条約を締結しており、この条約もその一つです。

条約のその後

1928年、国民政府は中葡和好通商条約を廃止しました。これは、不平等条約に対する中国側の反発と、国際情勢の変化によるものでした。しかし、この条約によってポルトガルが得たマカオの統治権は、その後も継続し、1999年までポルトガルの植民地支配が続きました。

この条約は、中国の近代史における不平等条約の象徴の一つであり、その締結は中国の民族意識の高まりと、不平等条約からの脱却を目指す動きを加速させる要因となりました。

まとめ

中葡和好通商条約は、1887年に清朝とポルトガル間で締結された不平等条約であり、ポルトガルがマカオを永続的に統治することを清朝が認める内容でした。しかし、マカオの範囲が明確に定められていなかったため、後に紛争の種となりました。この条約は1928年に国民政府によって廃止されましたが、マカオの歴史に大きな影響を与えました。

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