中蒙国境

中蒙国境：歴史と現状

中蒙国境は、中華人民共和国とモンゴル国との間、約4630キロメートルに及ぶ国境線です。その大部分は広大なゴビ砂漠を横断しており、両端は中国、モンゴル、ロシアの三国国境となっています。

国境線の概要

西端はアルタイ山脈のロシアとの三国国境に位置し、そこから南東方向に伸び、モンゴルの最南端を経由して北東方向へ。その後、大興安嶺山脈でモンゴルの最東端に到達します。さらに国境線は西に折れ、ハルハ川を通りブイル湖に至り、最終的には北上して東側のロシアとの三国国境へと繋がります。

歴史的背景

17世紀、ロシア帝国がシベリアへ進出する中で、モンゴルを支配していた清国との間で緊張が高まりました。清朝はモンゴルを内モンゴルと外モンゴルに区分していましたが、1727年のキャフタ条約により、現在の露蒙国境の大部分が画定しました。

1911年の辛亥革命に乗じて、モンゴルの民族主義者たちはロシアの支援のもと外モンゴルの独立を宣言。1915年の第二次キャフタ条約で、ロシアはモンゴルに対する中国の宗主権を認める一方で、モンゴルを半自治区として実質的な影響力を保持しました。ロシア革命後、中華民国がモンゴルを支配しようと侵攻しましたが、モンゴルとソ連に撃退され、1921年に独立を再宣言しました。

中国はモンゴルの独立を認めなかったものの、国境地帯が人口希薄であったため、国境問題は大きな問題とはなりませんでした。しかし、1931年の日本の満州侵攻後、満州国との間で国境画定会議が行われ、一部領土が満州国に割譲。第二次世界大戦後の日本の敗戦により、この協定は効力を失いました。

1946年、中華民国はモンゴルの独立を承認しましたが、その後国境を巡る紛争が勃発。特に1947年には、金が豊富なベイティク山脈を巡り紛争が発生しました。国境線画定作業は国共内戦により中断されましたが、1949年に中国共産党が中国本土を支配下に収めると、モンゴル人民共和国との関係は改善。1962年に国境画定条約を締結し、1964年には最終的な条約が合意されました。

国境を越える人身売買

近年、中蒙国境を越えてモンゴル人と中国人の女性や少女が性的人身売買の被害に遭う深刻な問題が発生しています。国境地域には、多くの男性労働者が働く大規模な鉱山があり、売春や人身売買の中心地となっています。

主要な国境検問所

以下は、中蒙国境における主要な国境検問所です。

ブルガン - タカシケン
Bichigt - Zuun Khatavch
ザミンウード - エレンホト
Shivee Khuren – 策克
Sumber – アルシャン

地図

20世紀中頃に作成された100万分の1国際図における中蒙国境。

関連事項

中蒙関係

参考文献

* （参考文献は、必要に応じて追加してください）

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