中部労災病院

中部労災病院

愛知県名古屋市港区港明一丁目に所在する「中部労災病院」は、独立行政法人労働者健康安全機構が運営する医療機関です。正式名称はこの通りですが、日常的には平仮名で「ろうさい病院」と表記されることもあります。かつて旧病棟の時代には、看板などに漢字の「労災」表記が広く用いられていましたが、現在は公式サイトや多くの案内表示で「ろうさい」が使われる傾向にあります。ただし、法的な名称はあくまで「中部労災病院」であり、混同しないよう注意が必要です。最寄りのバス停留所は、現在も漢字表記の「労災病院前」となっています。

沿革

当院は、1955年（昭和30年）3月22日に開院しました。長い歴史を持つ中で、医療環境の変化に対応し、2008年（平成20年）4月には現在の地に新築された病棟へ移転し、より近代的な医療施設として生まれ変わりました。

診療体制

中部労災病院は、地域の中核病院として多岐にわたる診療部門を有しています。内科系、外科系はもちろんのこと、その他の様々な専門分野に対応する診療科を備え、幅広い疾患の治療にあたっています。

特に労災病院としての特性を活かし、勤労者の健康を支援するための専門的な取り組みも行っています。その代表例として、「勤労者メンタルヘルスセンター」や「働く女性メディカルセンター」が設置されており、仕事に関連するストレスや女性特有の健康問題に対する専門的なケアを提供しています。

病院機能と認定

当院は、様々な公的な指定・認定を受けており、地域の医療体制において重要な役割を担っています。

救急告示病院（二次救急）: 比較的重症な救急患者を受け入れる二次救急医療機関として指定されており、地域における緊急医療体制の一翼を担っています。2019年度には3,774件の救急車搬送患者を受け入れました。
災害拠点病院（地域）: 大規模な災害発生時に、傷病者の受け入れや医療救護班の派遣、後方支援を行う拠点病院として指定されています。
がん診療拠点病院（愛知県知事指定）: 高度ながん医療を提供できる体制が整備されており、地域のがん診療における中心的な役割を担っています。
地域医療支援病院: 地域のかかりつけ医などを支援し、連携することで、患者さんが地域内で質の高い医療を受けられる体制を構築しています。
公益財団法人日本医療機能評価機構認定病院: 医療の質や安全に関する様々な基準を満たしていることが認められています。当院は繰り返し認定を受けており、医療サービスの質の向上に継続的に取り組んでいます。
NPO法人卒後臨床研修評価機構（JCEP）認定証発行病院: 医師の臨床研修の質が高いことが評価され、研修医の育成においても重要な役割を果たしています。

これらの認定に加え、各種法令に基づく指定病院であり、多くの学会の認定施設ともなっています。

附属施設

病院敷地内には、関連施設として「中部労災看護専門学校」が併設されており、将来を担う看護専門職の育成が行われています。また、「労災リハビリテーション工学センター」も置かれており、障がいを持つ労働者などに対するリハビリテーションや、福祉用具、義肢装具に関する専門的な支援・研究開発を行っています。

交通アクセス

公共交通機関を利用する場合、名古屋市営地下鉄名港線の港区役所駅で下車し、徒歩で約7分程度です。また、名古屋市営バスを利用される際は、「労災病院前」または「港区役所」停留所が便利です。車での来院の場合、名古屋高速4号東海線の港明出入口または木場出入口が最寄りのインターチェンジとなります。

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