中部合同電気

中部合同電気株式会社の概要

中部合同電気株式会社（ちゅうぶごうどうでんき かぶしきがいしゃ）は、昭和12年（1937年）に設立された日本の電力会社で、岐阜県東濃地方と長野県木曽地域を供給対象としていました。本社は愛知県名古屋市に置かれ、東邦電力の関連会社として、当時の小規模電気事業者の統合を通じて電力供給を始めました。しかし、会社の存立期間は短く、1942年に中部配電株式会社に統合されることとなります。

設立の背景

1930年代の日本では、政府による電気事業の強化が進み、国内の電力業界は国家管理の下での再編成が求められていました。こうした国策に応じて、この年の電力管理法が策定され、民間電力会社の統合が促進されることとなりました。特に小規模事業者の統合が進み、岐阜県と長野県に点在する多くの電気事業者を一本化する動きがあったのです。

具体的には、1937年8月に東邦電力と関連の7社が合併し、これらの電力供給事業を統合する形で中部合同電気が設立されました。設立当初の資本金は500万円で、主要取引先である東邦電力が半数を保有していました。創立総会が行われ、役員が選任され営業が開始されると、主に電灯と電力供給に注力しました。

統合のプロセス

中部合同電気は、岐阜県内の十数の電力会社を吸収する形で、地域の電力供給を一元化しました。その中には、東邦電力の多治見区域や、妻木電気、矢作水力、中津電気など多様な岩村地域の事業者が含まれており、各社との間で事業譲渡契約が締結されました。

それにより中部合同電気の供給区域は、恵那郡、多治見市、木曽町など地域に広がり、多数の電灯供給が行われました。設立の翌年には中央水力電気からも事業譲渡が行われ、順調に事業を拡大したものの、1939年末には電灯数が13万灯、電力供給が7887キロワットに達するなど、一時的な繁栄を見せました。

統合後の運営と課題

中部合同電気は発足以来、地域内の電力供給を一括して管理し、設備の充実化を図る努力を重ねましたが、やがて国の電力政策の影響を受けることになります。最終的に、1942年には東邦電力と共に中部配電株式会社に統合され、会社としての地位を失いました。

この統合に際して、十分な資本移転と業務の継続性が図られましたが、戦時中の電力不足や国による電気事業の統制強化により、様々な課題に直面しました。最終的には中部合同電気は公式に消滅し、その資産や事業は新たに設立された配電会社へと移行していくことになりました。

結論

中部合同電気株式会社の歴史は、戦前の日本の電力業界における企業再編と、国家の方針によって大きく影響されながら展開されたものでした。短命に終わるも、当時の電力供給の基盤を作る一助となったことは評価される点です。戦後の電力業界の再編成や中部電力の誕生に向けた流れにおいても、重要な足跡を残しています。

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