中里智美

中里智美（なかざと ともみ）

中里智美は、1959年9月10日生まれの日本の裁判官です。神奈川県出身であり、東京家庭裁判所所長を経て、福岡高等裁判所長官を務めました。

略歴

中央大学法学部卒業
1983年：司法修習生（第37期）
1985年：大阪地方裁判所判事補に任官
1987年：水戸地方裁判所判事補・水戸家庭裁判所判事補
1990年：秋田地方裁判所大曲支部判事補・秋田家庭裁判所大曲支部判事補
1993年：東京地方裁判所判事補
1995年：東京地方裁判所判事
1996年：岐阜地方裁判所判事・岐阜家庭裁判所判事
2000年：東京地方裁判所判事・東京高等裁判所判事職務代行
2003年：東京高等裁判所判事
2004年：司法研修所教官
2007年：大阪地方裁判所判事
2008年：大阪地方裁判所部総括判事
2011年：司法研修所教官
2014年：東京地方裁判所部総括判事
2017年：水戸地方裁判所所長
2018年：東京高等裁判所総括判事
2021年：東京家庭裁判所所長
2022年：福岡高等裁判所長官
2024年：定年退官

担当訴訟

強制わいせつ致傷事件（大阪地方裁判所、2009年）

2008年3月、大阪府高槻市で発生した強制わいせつ致傷事件において、被告人が一貫して無罪を主張しました。中里裁判長は、被害女性の事件当時の飲酒量や観察能力に疑義があること、面割り捜査の均質性に問題があること、被告人のアリバイなどを考慮し、犯行の確固たる証拠がないとして、無罪判決を言い渡しました。求刑懲役4年に対し、無罪という判断は、慎重な事実認定に基づいたものでした。

オウム真理教事件（東京地方裁判所、2015年）

一連のオウム真理教事件に関与した高橋克也被告の裁判員裁判において、中里裁判長は、地下鉄サリン事件の実行犯の送迎役など、計5件の事件への関与を認定し、高橋被告に無期懲役の判決を言い渡しました。この裁判では、重大な社会犯罪に対する責任を明確にする姿勢が示されました。


中里智美は、数々の重要な裁判において、公平かつ冷静な判断を下し、日本の司法に貢献しました。裁判官としての豊富な経験と深い知識に基づき、的確な判断を下すその姿勢は、法曹界においても高く評価されています。2024年に定年退官を迎えましたが、その功績は今後も長く語り継がれることでしょう。

外部リンク

* 福岡高等裁判所長官 | 裁判所

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