中里長門

中里 長門の軌跡

中里 長門（なかさと ながと）は、1946年8月30日に生まれ、2011年8月16日に亡くなった日本の政治家です。岩手県陸前高田市で活動し、陸前高田市長を2期務め、市議会議員を4期にわたって担当しました。

生い立ちと教育

岩手県陸前高田市生まれの中里は、奥州大学（現在の富士大学）経済学部経済学科に進学し、卒業後は陸前高田民主商工会で事務局長としてキャリアをスタートさせました。この民主商工会での経験は、彼の後の政治活動においても影響を与えたことでしょう。

政治活動の始まり

1987年、中里は日本共産党の公認を受けて陸前高田市議会議員選挙に出馬し、見事に初当選を果たします。以降、彼は4期16年間にわたって市議会で活動し、市民の声を市政に反映させるために努力を重ねました。

市長選への出馬

2003年、中里はタラソテラピー施設建設計画に対する疑問から超党派の市民運動グループ「陸前高田市政を考える市民の会」に推挙され、無所属で市長選挙への出馬を決意しました。この計画は8億円という建設費がかかるもので、住民からは不安の声が上がっていました。中里は、日本共産党の支持を受けた上に、自由民主党系の「爽風会」の支援も受けるなど、全国的にも珍しい自共共闘の形をとりました。結果として、民主党系の菅野俊吾市長を破り、初当選を果たします。

中里は2007年の市長選でも元岩手県議の吉田昭彦を打ち破り、再選を果たしました。彼は一貫して共産党の党籍は保持していましたが、市長選には無所属として出馬している点が特徴的です。

環境への配慮

中里の政策の一環として、2010年に発生したチリ地震による津波で損壊した養殖施設の処分費用を陸前高田市が全額負担することを提案しました。これは、地域住民と経済活動を守るために行った重要な措置として、市民から評価されました。

引退と死去

2011年の陸前高田市長選に出馬せず、政治活動から退くことを決定します。引退後、市長選には中里の下で副市長を務めていた戸羽太が出馬し、当選しました。

中里は、2011年8月16日に胆管癌のために陸前高田市の自宅で息を引き取り、64歳でこの世を去りました。彼の政治家としての業績は、地域に深く刻まれています。

参考文献

• - 『新訂 現代政治家人物事典』（2005年）
• - 『平和の鉱脈と日本共産党 国会議員33年 そこから見えてきたもの』（松本善明著、2005年）

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