松本善明

松本善明の生涯と業績

松本善明（まつもと ぜんめい、本名：まつもと よしあき、1926年5月17日 - 2019年6月24日）は、日本の著名な弁護士であり、日本共産党の名誉役員、そして衆議院議員として長らく活躍した政治家です。彼は大阪府に生まれ、北野中学校（現在の大阪府立北野高等学校）を卒業しました。青年期には海軍兵学校に入学し、戦争の終結を迎えました。

大学は東京大学法学部に進学し、政治学を学びながら1948年に日本共産党に入党しました。卒業後は国会秘書として活動し、1950年に画家いわさきちひろと結婚します。弁護士としての道を歩み始めると、松川事件や労働争議といった多くの重要な事件に関与し、日本の法律界に名を馳せました。1951年には司法試験に合格し、1954年から本格的に弁護士として活動を開始し、正義のために奮闘しました。

1967年、松本は東京4区から衆議院議員に初当選し、その後比例東北ブロックに転属。2003年まで11期にわたり、日本共産党を代表する力強い政治家として国会での活動を続けました。在職中は、予算委員会や農林水産委員会に所属し、党国対委員長や党幹部会の委員など、様々な重要な役割を果たしてきました。

様々なエピソード

松本の人生は多くの困難に彩られていました。特に松川事件に関する活動中には、身近で奇怪な事件が相次ぎました。1945年に起きた松川事件の被告側の弁護を担当していた際、自宅が荒らされ、そこにあった手紙が盗まれるという事件が発生しました。さらには妻であるいわさきちひろも尾行され、彼女が拉致される危険な状況に陥ります。彼女はなんとか脱出しましたが、松川事件に強い関わりを持つ松本にとって、このような事件は終生忘れることのできない出来事となったと考えられます。

議員としての活動では、中曽根康弘首相に「時間泥棒」と非難するなど、強い言葉を持って政府の政策に対して意見を述べることもありました。日本マクドナルド創業者の藤田田とは旧友であり、選挙活動を通じて再び親交を深めたことでも知られています。また、手塚治虫との関係も特筆すべきで、彼の支持を受けて当選した1967年の選挙演説では、戦争反対を訴えました。このように、松本は多くの著名人と関わりを持ちつつ、自らの信念を貫き通してきました。

主な著作

松本は政治活動だけでなく、著述活動にも精力的に取り組みました。代表的な著作には『いわさきちひろの想い出』や『虚構の壁－自由と民主主義のために－松川事件、メーデー事件の弁護の記録』などがあり、いわさきちひろとの思い出や、彼自身の政治的信念を表現した作品が多く存在します。

2019年6月24日、松本は93歳で老衰のために逝去しました。彼の生涯は、日本の戦後政治史における重要な一端を担っており、弁護士として、また政治家としての活動が、多くの人々に影響を与えました。彼の足跡は、今なお多くの後進たちに受け継がれています。

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